横山光輝 三国志 (ゲーム)

横山光輝 三国志（ゲームソフト）

シリーズ概要

『横山光輝 三国志』（よこやまみつてる さんごくし）は、株式会社エンジェルよりスーパーファミコン向けにリリースされた歴史シミュレーションゲームのシリーズです。このシリーズは、漫画家・横山光輝氏の代表作であり、同名で放送されたテレビアニメ版『横山光輝 三国志』とのメディアミックス企画としても展開されました。ゲームの根幹となる題材は、中国の古典歴史小説『三国志演義』に採られており、プレイヤーは三国時代の群雄の一人として中国全土の統一を目指します。アニメ版とのタイアップの一環として、ゲーム中に登場する武将たちの顔グラフィックは、アニメーション作品に準拠したデザインが採用されているのが特徴です。

本稿では、シリーズの第一作目である『横山光輝 三国志』と、その続編にあたる『横山光輝 三国志2』について詳しく解説します。

横山光輝 三国志（第一作）

1992年6月26日に発売されたシリーズ第一弾です。

ゲームシステム

本作のゲーム進行は、月ごとに異なる三つのフェイズに区切られている点が大きな特徴です。プレイヤーは各フェイズで実行可能なコマンドを選択し、自国の強化や他国への侵攻を進めていきます。

政略フェイズ（1月、4月、7月、10月）
領地の開発や治水事業など、国内統治に関する様々な指示を行います。
軍略フェイズ（2月、5月、8月、11月）
計略の実行、兵士の徴集、武将の登用や移動など、軍事的な準備や策略に特化した行動を行います。
行軍フェイズ（3月、6月、9月、12月）
他国の都市への侵攻や自国の都市の防衛といった、直接的な戦闘が発生する行動フェイズです。

これらのフェイズを繰り返し、最終的に中国全土を制圧し統一を果たすことがゲームの最終目的となります。

登場武将に関しては、『三国志演義』に基づきつつも、史実の三国時代末期にあたる時期の武将はほとんど登場しません。ただし、原作小説には登場しない司馬炎が特別に追加されていますが、彼の元服年は史実（236年生まれ）とは大幅に異なる215年に設定されています。

シナリオ

ゲーム開始時に選択できるシナリオは二つが用意されています。

群雄割拠（189年開始）
後漢王朝の末期、黄巾の乱を経て中国各地で有力者たちが自立し、まさに群雄が覇を競う乱世の始まりを描いたシナリオです。
選択可能君主には、袁紹、曹操、孫堅、董卓、劉備、馬騰がリストアップされています。この他に、劉表、袁術、公孫瓚、劉焉、張魯、王朗、孔融、陶謙といった君主も存在します。
三国鼎立（219年開始）
劉備が蜀の地を掌握し、魏・呉・蜀の三国が並び立つ体制が確立された後の時期、特に荊州を巡る緊張が高まっている局面を描いたシナリオです。
プレイヤーが選択できる君主は、曹操（魏）、孫権（呉）、劉備（蜀）の三国君主のみとなります。

横山光輝 三国志2

1993年12月29日に発売されたシリーズ第二弾です。

ゲームシステム

前作からゲームシステムにいくつかの変更が加えられています。

最も大きな変更点として、前作の特徴であった月ごとのフェイズ区分は廃止されました。これにより、プレイヤーはより自由にコマンドを実行できるようになっています。

また、戦闘システムにも大きな見直しが行われ、戦いの規模に応じて三種類の異なる形式が用意されるなど、前作と比較して大幅な変更が加えられています。

シナリオ

本作では、異なる開始時期の三つのシナリオを選択可能です。

桃園の誓い（189年開始）
前作の「群雄割拠」シナリオと同じ時期にあたります。劉備、曹操、董卓、袁紹、孫堅、馬騰、劉表、袁術が選択可能君主として登場します。その他、公孫瓚、劉焉、張魯、王朗、孔融、陶謙といった君主も配置されています。
群雄割拠（200年開始）
悪政を敷いた董卓が倒された後、中原における覇権を巡って各地の群雄たちの間で争いが激しさを増していく時期を描いています。劉備、曹操、孫権、袁紹、馬騰、劉表を選択してプレイできます。この時期のその他の勢力として、李傕、劉璋、張魯などが存在します。
三国時代（215年開始）
劉備が蜀を確固たる勢力圏とし、魏・呉・蜀の三国鼎立体制が確立された後の時代設定です。選択可能な君主は、劉備、曹操、孫権の三国君主となります。このシナリオでは、その他勢力としては張魯のみが登場します。

これらのゲームシステムとシナリオの変更により、『横山光輝 三国志2』は前作とは異なるプレイ感で三国志の世界を楽しむことができます。

もう一度検索