横山城 (信濃国)

横山城の歴史

横山城は、現在の長野県長野市箱清水に位置する城山に築かれた日本の城です。その歴史は南北朝時代に遡るとされ、この地を巡る数々の戦いの舞台となりました。

南北朝時代の動乱

正平6年（1351年）、足利直義方と足利尊氏方の間で激しい戦いが繰り広げられました。横山城は、この戦いの中で、足利直義軍が善光寺を攻める際の拠点として利用されたと考えられています。しかし、直義軍は横山城を攻め落とすことはできず、敗走を余儀なくされました。

正平24年（1369年）には、上杉朝房が守護代の藤井下野入道の守備する善光寺（横山城）に向けて出陣し、村上氏ら国人衆と戦いました。この戦いで善光寺が焼失したとされており、横山城も戦火に巻き込まれた可能性があります。

元中4年（1387年）には、村上頼国らが善光寺で挙兵し、斯波氏の守護代が籠城する横山城を攻撃し、落城させました。

室町幕府の支配と抵抗

応永10年（1403年）、室町幕府は細川慈忠を代官として派遣し、信濃国への直接統治を試みました。しかし、村上満信ら国人衆はこれに反発し、横山城を拠点に抵抗しました。その後の戦いで、幕府軍は国人衆を破り、信濃支配を安定させました。

川中島の戦い

戦国時代に入ると、横山城は川中島の戦いにおいて重要な役割を果たしました。天文24年（1555年）の第二次川中島の戦いでは、上杉謙信が横山城を本陣とし、武田晴信と対峙しました。謙信は武田方の旭山城を封じ込めるために葛山城を築き、両軍は200日以上に及ぶ長期戦を展開しました。

永禄4年（1561年）の第四次川中島の戦いでも、謙信は八幡原の激戦後、兵を横山城に収めたとされています。横山城は、川中島の戦いにおいて、謙信の善光寺平の抑えとしての役割を果たしていました。

その後

武田氏の支配が北信一帯に及ぶようになると、横山城は相木氏の勢力下となりました。

伝説

横山城の地には、出雲での敗戦から逃れた建御名方神が、追撃する建雷命と戦ったという伝説が残っています。この時、妻の八坂刀売神が避難した場所が妻科神社であり、建御名方神は傷ついた体で諏訪に至ったと伝えられています。

横山城の遺構

現在、横山城跡は城山公園として整備されています。本丸跡には健御名方富命彦神別神社の社殿が建てられ、その背後には一部土塁が残っています。公園からは長野市街地を一望でき、歴史を感じさせる空間となっています。

アクセス

• - JR北陸新幹線長野駅からバスで「城山小学校前」バス停下車、徒歩5分
• - 上信越自動車道須坂長野東ICから約30分

横山城は、その歴史的な背景と遺構から、訪れる人々に深い感銘を与えます。

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