細川慈忠

細川慈忠について

細川慈忠（ほそかわ しげただ）は、室町時代前期に活躍した武将であり、通称を兵庫助と称しました。彼は、室町幕府が信濃国の支配を安定させるために派遣した代官として、その名を知られています。

信濃国における幕府の支配

応永7年（1400年）に信濃国で大塔合戦が勃発し、守護の小笠原長秀が京都へ逃れるという事態が発生しました。この混乱を受け、室町幕府は国人衆を統制するために信濃を幕府の直轄地としました。そして、応永9年（1402年）には、奉行人の依田左衛門大夫と飯尾左近将監為清を代官として派遣しました。しかし、両名は翌年6月に信濃へ赴任したものの、状況は好転しませんでした。

細川慈忠の着任と国人衆との戦い

幕府は同年9月に代官を細川慈忠に交代させ、慈忠は善光寺横山城に入りました。しかし、村上満信、大井光矩、井上光頼、小笠原為経といった有力国人衆は、幕府の代官の命に従わず、連合して守護所を攻撃しようとしました。これに対し、慈忠は市河氏貞らとともに段の原（現在の長野市篠ノ井段の原）で迎え撃ちました。この戦いで慈忠は国人衆を打ち破り、敗走する村上氏らを追撃して生仁城や塩崎城を落城させました。

抵抗と支配の安定

翌年にも、代官による所領の実態調査に対して、高梨左馬助が強く抵抗しました。これに対し、慈忠は桐原館（現在の長野市桐原）や若槻城（現在の長野市若槻）を攻略するために出撃し、下芋河、替佐、蓮、東条などを転戦しました。そして、応永22年（1415年）には、高井郡の須田為雄を鎮圧し、これによって幕府による信濃の支配は安定したとされています。

参考文献

この記述は、『信濃史料』を参考にしております。

細川慈忠は、信濃における幕府の支配を確立するために、国人衆との激しい戦いを繰り広げました。彼の活躍によって、信濃の安定がもたらされたと言えるでしょう。

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