横川市平

横川市平：太平洋戦争を生き抜いた海軍軍人

横川市平（よこかわ いちへい、1893年4月24日 - 1979年1月7日）は、日本海軍における重要な役割を担った軍人の一人です。岡山県出身の横川は、1912年に海軍兵学校に入校し、1915年に卒業。同期の95人中20番という優秀な成績を収めました。

卒業後は、戦艦「日向」や潜水母艦「長鯨」、軽巡洋艦「由良」、重巡洋艦「古鷹」、戦艦「扶桑」など、数々の艦艇で砲術長を務めました。砲術長としての経験は、彼の海軍におけるキャリアの基盤となり、のちの活躍に繋がります。

太平洋戦争勃発前には、特設水上機母艦「神川丸」艦長、第16航空隊司令を歴任。そして、空母「飛龍」艦長を経て、空母「瑞鶴」の艤装員長に就任。その後、初代艦長として真珠湾攻撃、ラバウル攻略、インド洋作戦、そして珊瑚海海戦に参加しました。これらの作戦は、太平洋戦争における日本の初期の攻勢において重要な役割を果たしており、横川はその中心人物の一人として歴史に名を刻んでいます。

1942年6月5日、横川は筑波海軍航空隊司令官に転任。その後、1943年5月1日には海軍少将に昇進しました。少将昇進後も、海軍航空本部出仕、軍務局御用掛、商工省航空局第三部長、第26特別根拠地隊司令官、第26建設部長などを歴任し、多様な職務を経験しています。1944年5月25日には軍令部出仕となり、軍における彼の役割は、ますます重要になっていきました。

終戦後、1945年9月6日に予備役に編入され、軍隊を去ります。しかし、彼のキャリアはそこで終わらなかったのです。1947年11月28日には公職追放の仮指定を受けました。これは、戦後の混乱期において、多くの軍関係者が直面した現実です。

横川市平の経歴を詳細に見ていくと、彼は海軍兵学校卒業後、着実にキャリアを積んでいったことが分かります。戦艦、巡洋艦、潜水母艦、そして空母と、様々な艦艇で経験を積み、砲術長として高い専門性を身につけました。太平洋戦争における彼の活躍は、空母「瑞鶴」艦長として参加した真珠湾攻撃や珊瑚海海戦が最も有名でしょう。これらの作戦は、日本海軍にとって重要な戦略上の転換点であり、横川はその中心にいた人物でした。

彼の軍歴は華々しいものですが、戦後の公職追放という事実も、その時代背景を理解する上で重要な要素です。彼の経験は、太平洋戦争期における日本海軍の動き、そして戦後の日本の社会構造の変化を理解するための貴重な歴史的資料となります。横川市平という一人の人物を通して、激動の時代を垣間見ることができるのです。

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