横浜市営バス港北営業所

横浜市営バス港北営業所

横浜市営バス港北営業所は、神奈川県横浜市港北区大豆戸町に位置する横浜市交通局自動車部の営業所です。1981年（昭和56年）に開設され、港北区南部、鶴見区西部、都筑区の港北ニュータウン地区を主な運行エリアとしています。横浜市道環状2号線沿いにあり、最寄駅は新横浜駅、最寄りのバス停留所は「港北車庫前」です。

沿革

港北営業所の歴史は、初代の鶴見営業所から始まります。

1937年（昭和12年）12月27日：鶴見区大黒町に初代鶴見営業所が開設。
1938年（昭和13年）1月16日：初代鶴見営業所が営業を開始。
1941年（昭和16年）：軍事要請により、鶴見営業所が鶴見区大黒町から同区生麦四丁目に移転。
1955年（昭和30年）6月15日：初代鶴見営業所の派出所として生麦派出所が設置。
1965年（昭和40年）4月19日：生麦派出所を出張所に変更。
1973年（昭和48年）5月12日：生麦出張所が営業所として独立、現在の鶴見営業所となる。
1981年（昭和56年）5月5日：初代鶴見営業所を廃止し、営業所機能を移転、港北営業所を開設。同時に生麦営業所を鶴見営業所に改称。
2002年（平成14年）2月：CNG充填施設が完成し、CNGバスの配置が開始。
2008年（平成20年）3月16日：全所属車両でPASMOを導入。

港北営業所は、初代鶴見営業所の移転に伴い開設されました。1981年9月25日発行の横浜市交通局報には、当時の鶴見営業所が老朽化し、担当区域との関係で立地上の問題があったため、港北区大豆戸町に港北営業所を新設し、内陸部の輸送力強化と車両運用の効率化を図ったと記されています。当時の鶴見営業所と生麦営業所間の距離が700m程度と近接しており、路線担当区域の区分が非効率であったことや、港北ニュータウン地区の路線展開への備えが、移転の背景にありました。

なお、現在の緑営業所が開設時に「港北営業所」を名乗っていたため、港北営業所という名称としては2代目となります。

2002年には、FIFAワールドカップのバス輸送においてCNG車による運行が推奨されたことを受け、横浜国際総合競技場付近に位置する当営業所には、天然ガススタンドが設置され、多数のCNGノンステップバスが配置されました。その後、これらの施設とCNG車両の運用は中止されています。

所管系統

港北営業所が所管する主な系統は以下の通りです。

6・14・67・104系統

これらの系統は、主に鶴見駅西口と新横浜駅、梶山を結びます。

14系統：ルーツは1931年に開設された下末吉 - 生麦線。戦時下や燃料不足などで路線変更を繰り返し、1965年に新子安駅・大口駅発着に延伸。2007年に鶴見駅西口 - 梶山間の運行に短縮。
67系統：1963年に鶴見駅西口 - 末吉間で開設。1971年に昭和坂上経由に変更、大口駅発着便を新設。2000年に大口駅発着を廃止し、鶴見駅西口発着に短縮。
104系統：1970年に鶴見駅 - 新横浜駅間で開設。駒岡・末吉地区と鉄道駅との通勤・通学輸送の役割を担い、沿線の公共施設やトレッサ横浜へのアクセスとして利用されています。新横浜駅 - 港北区総合庁舎 - 駒岡車庫間では臨港バスも運行していますが、共通定期券の設定はありません。
6系統：2010年に鶴見駅西口 - 大倉山駅 - 新横浜駅前で開設。2022年9月末に鶴見駅西口発着を廃止し、全便が梶山発着となりました。大倉山地区からトレッサ横浜や三ッ池公園へのアクセスを担っています。太尾堤交差点付近で、往復ともに周辺の道路をループし、同交差点を2回通過する特異な経路をとります。また、港北区総合庁舎停留所を2回経由するルートも特徴です。なお、現在の6系統は6代目となります。

朝夕ラッシュ時には、鶴見 - 梶山間の区間便が運行され、104系統と同経路で運行されるものは14系統、昭和坂上経由のものは67系統を名乗ります。67系統の鶴見発便と104系統の梶山 - 新横浜駅区間便の運行は非常に少ないです。

これらの系統は、路線開設の経緯により、往復で異なる経路をとる区間があります。鶴見駅西口発便は末吉大通り経由、新横浜駅・梶山発便は末吉 - 宮の下間で末吉大通り西側の脇道を経由します。鶴見駅西口を発着していますが、当系統の発車バス停のみロータリー外にあり、「鶴見駅入口停留所」という別名称が与えられています。

かつては雨天時の朝に、梶山を始発とし港北区総合庁舎から新横浜駅まで急行運行する322系統が臨時増発されていましたが、2024年3月末をもって正式に廃止されました。

13・155系統

これらの系統は、鶴見営業所との共管系統です。

28・41系統

これらの系統は、鶴見駅西口 - 菊名駅間と、大倉山駅 - 新羽駅 - 川向町間の輸送を担います。

1953年に鶴見駅西口 - 川向町で開設。
その後、中山駅まで延伸。
鶴見駅西口と菊名駅間は、狭隘かつカーブの多いルートを通ります。
大倉山駅・新羽駅からは、住宅地域や工業地区へのフィーダー輸送を担います。
沿線の大型商業施設へのアクセスとしても機能しています。
2023年1月4日のダイヤ改正で、ららぽーと横浜への乗り入れが廃止されましたが、2024年1月から当営業所も運行に携わるようになりました。

現在、鶴見駅西口 - 中山駅間を全区間運行する便は存在せず、多くの区間便が運行されています。

38・84系統

これらの系統は、鶴見・横浜両駅間を篠原地区廻りで運行します。路線名称は岸根線です。

鶴見駅西口 - 内路間では41系統と同経路を運行します。
新子安・大口経由の便は日中に数便のみ運行されます。
荒立経由便は、41系統の最混雑区間を補完するラケット型の循環路線です。

96系統

2023年1月4日のダイヤ改正で新設された系統で、300系統の補完として機能します。

当初は朝夕と日中でルートが異なりましたが、2024年4月のダイヤ改正により平日朝夕のみの運行に変更され、新羽駅発着のみとなりました。

129系統

新横浜駅から羽沢地区を経由して相鉄線西谷駅・鶴ヶ峰駅を結ぶ系統です。

国道16号線の渋滞を避けるため、平日朝は上菅田東部公園発着の区間便のみとなります。

300系統

新横浜駅と市営地下鉄仲町台駅間を、市営地下鉄線より西側廻りで運行する系統です。

横浜労災病院に立ち寄るルートが特徴です。
沿線は企業や住宅が少ないため、横浜市生活交通バス路線維持制度による補助金を受けて運行されています。
2023年1月4日のダイヤ改正で大幅減便されましたが、2024年4月のダイヤ改正で川向南耕地を経由する便が新設され、一部復便しました。

301系統

東急田園都市線江田駅北口と市営地下鉄仲町台駅を結ぶ系統です。港北ニュータウン西側の地域を経由します。

港北ニュータウン地区の市営バス路線では、305系統に次いで利用客数が多いです。

302系統

市営地下鉄仲町台駅・東山田駅・センター南駅間を結ぶ系統です。

港北ニュータウン東側や中原街道周辺の地域を経由します。
仲町台駅 - 東山田駅間は、平日朝夕時間帯は比較的運行便数が多いです。

304系統

東急田園都市線江田駅北口・市営地下鉄センター南駅間を、港北ニュータウン西部の荏田東地区経由で結ぶ系統です。

過去に所管した系統

かつて港北営業所が所管していたが、廃止・移管された系統は多数あります。詳細は元の文章を参照してください。

車両

港北営業所では、2004年の入札制度導入まで、いすゞ自動車製車両の配置が慣例となっていました。

現在は、いすゞ・日野自動車統合モデルのジェイ・バス車が中心です。
いすゞ・エルガハイブリッドも配置されています。
* 2023年度には、初のフルカラーLED行先表示器搭載車両が配置されました。

2013年度には、一般路線用の全車両がノンステップバスに統一されました。

まとめ

横浜市営バス港北営業所は、地域の足として、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。開設当初からの歴史や、時代の変化に伴う路線の変遷を辿ると、地域とともに歩んできたことがわかります。今後も地域に密着したバス路線として、さらなる発展が期待されます。

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