菊名駅

菊名駅

菊名駅は、神奈川県横浜市港北区菊名七丁目にある、東急電鉄とJR東日本の共同駅です。東急東横線とJR横浜線の2路線が乗り入れており、両線の接続駅として機能しています。

概要

東急電鉄とJR東日本、それぞれの路線が乗り入れる菊名駅は、両社の利用客にとって重要な拠点となっています。駅は、東急東横線が地上駅、JR横浜線が高架駅という構造で、それぞれのホームは連絡通路で結ばれています。駅周辺は住宅地となっており、駅の利用者は周辺住民や通勤・通学客が中心です。

乗り入れ路線

東急電鉄：東横線 - 駅番号「TY16」
JR東日本：横浜線 - 駅番号「JH15」

歴史

菊名駅の歴史は、1926年に東京横浜電鉄（現：東急電鉄）と鉄道省（現：JR東日本）がそれぞれ駅を開業したことから始まります。当初は別々の駅として存在していましたが、1927年には両駅を結ぶ連絡線が開通し、乗り換えが可能となりました。その後、1966年に連絡線が撤去されるなど、変遷を経て現在の形に至っています。

年表

1926年（大正15年）2月14日：東京横浜電鉄の菊名駅が開業。
1926年（大正15年）9月1日：鉄道省の菊名駅が開業。
1927年（昭和2年）3月：国鉄線と東京横浜電鉄を結ぶ菊名連絡線が開通。
1966年（昭和41年）9月：菊名連絡線が撤去。
1972年（昭和47年）7月27日：東急線路冠水対策と駅舎橋上化のため、東急・国鉄双方の線路を嵩上げ、東急駅舎を橋上化し2面4線化。引き上げ線も完成。
1974年（昭和49年）：駅本屋内に東急ストア菊名店が開業。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により横浜線の駅はJR東日本の駅となる。駅の管理は引き続き東急が行う。
1988年（昭和63年）8月9日：日比谷線直通列車が当駅まで延伸。
1991年（平成3年）：東横線日吉駅の改良工事が完成し、日中の日比谷線直通運転区間が同駅までとなる。
1993年（平成5年）3月23日：東横線大倉山 - 菊名間踏切除却立体交差工事の進捗に伴い、当駅に隣接していた大倉山3号踏切が廃止。
1993年（平成5年）3月31日：東横線当駅における大形20m8両編成の渋谷方1両のドア非扱いを終了。
1994年（平成6年）：横浜線と東横線の乗り換え通路途中に連絡改札が設置される。JR東日本の出札改札用の駅舎も完成し、横浜線部分はJR東日本が管理を開始。
1995年（平成7年）3月17日：東横線当駅ホームの本設工事・跨線人道橋が完成。
2001年（平成13年）3月28日：東横線の特急運行開始。当駅で終日緩急接続を実施。
2001年（平成13年）11月18日：JR東日本でICカード「Suica」の利用が可能となる。
2006年（平成18年）3月18日：横浜線を走行する快速の停車駅となる。
2013年（平成25年）3月15日：東横線と副都心線の相互直通運転開始に伴い、当駅まで乗り入れた日比谷線直通運転が終了。
2017年（平成29年）12月17日：JRの新駅舎の供用開始に伴い、西口エレベーターの使用を開始し連絡改札が廃止になる。
2018年（平成30年）7月29日：東急の中央改札（JR側）を新設。東改札移設。
2020年（令和2年）3月16日：東急駅のリニューアル工事が完成。
2021年（令和3年）12月20日：みどりの窓口の営業を終了。

駅構造

東急電鉄

東急電鉄の菊名駅は、島式ホーム2面4線を有する地上駅です。ホームには3番線から6番線までの番号が振られており、JR線との連番になっています。改札口は中央改札と東改札の2か所があり、いずれも横浜寄りに位置しています。駅構内には、エスカレーターやエレベーターが設置されており、バリアフリー化が進められています。駅には売店「toks」があり、駅利用者の利便性を高めています。

のりば

3・6番線：各駅停車
4・5番線：優等列車

特急運転開始後は、一部列車を除き、終日、自由が丘駅と共に当駅で緩急接続を実施しています。
構造上、4・6番線が主本線、3・5番線が副本線で、2021年3月13日ダイヤ改正から渋谷方面は主に副本線を優等列車が使用しています。

引き上げ線

横浜方には8両編成対応の引き上げ線があり、4・5番線からの入線が可能です。この引き上げ線は、渋谷方面への折り返し、回送、試運転、夜間の留置などに使用されます。2013年3月16日からは、一部の急行列車が10両編成となったため、引き上げ線を使用できず、ホーム上で折り返すようになりました。

JR東日本

JR東日本の菊名駅は、島式ホーム1面2線を有する高架駅です。ホームは盛土上にあり、カーブしています。駅には改札口が1か所あり、ホーム上の4階に移設されています。駅構内には、指定席券売機やNewDaysKIOSKが設置されています。

のりば

1番線：横浜方面
2番線：東神奈川・八王子方面

開かずの踏切と立体交差事業

菊名駅周辺には、かつて「開かずの踏切」として知られる大倉山3号踏切がありました。この踏切は、東横線の輸送力増強に伴い、列車の運行頻度が増加したことで、長時間遮断されることが多く、交通渋滞の原因となっていました。この問題を解決するために、1989年（平成元年）から大倉山 - 菊名間連続立体交差事業が行われ、1993年（平成5年）に踏切が廃止されました。この事業により、交通渋滞は解消され、駅周辺の利便性が向上しました。

菊名問題

2005年から東横線に導入された女性専用車をめぐり、菊名駅で乗り換える男性客から不満の声が上がりました。当時、女性専用車が横浜側の先頭車両に設定されていたため、階段に近い車両が利用できない、混雑が著しいなどの問題が発生しました。その後、女性専用車の設定位置や時間帯は見直され、現在は渋谷寄りの先頭車両に設定されています。

駅周辺

駅の東口と西口は、それぞれ異なる雰囲気を持っています。東口は旧綱島街道沿いにあり、マンションが多い一方、西口は閑静な住宅地となっています。駅周辺には、バス停やタクシー乗り場がなく、交通の便はあまり良くありません。

東口

駅前は一方通行の道路で、マンションが多く見られます。バス停は、川崎鶴見臨港バスと横浜市営バスの2つがあり、それぞれ場所が異なります。タクシー乗り場はありませんが、臨港バスの停留所付近にタクシーが客待ちをしていることがあります。ただし、2022年7月ごろより、警察の指導によりタクシー車両の付待ちは禁止されました。

西口

西口には駅前広場がなく、バスの乗り入れもありません。駅舎テナント部には「CIAL菊名」があり、まいばすけっとやデリフランスなどの店舗が入っています。西口周辺は、一戸建て中心の閑静な住宅地が広がっています。

バス路線

菊名駅前には、複数のバス路線が乗り入れています。川崎鶴見臨港バスと横浜市営バスのバス停は、それぞれ場所が異なります。

川崎鶴見臨港バス

鶴01：鶴見駅西口

横浜市営バス

41：鶴見駅西口 / 川向町 / 新横浜駅・港北車庫
59：横浜駅西口 / 新綱島駅・大豆戸交差点

隣の駅

東急電鉄

東横線
■特急：武蔵小杉駅 - 菊名駅 - 横浜駅
□通勤特急：日吉駅 - 菊名駅 - 横浜駅
■急行：綱島駅 - 菊名駅 - 横浜駅
■各駅停車：大倉山駅 - 菊名駅 - 妙蓮寺駅

JR東日本

横浜線
■快速：東神奈川駅 - 菊名駅 - 新横浜駅
■各駅停車：大口駅 - 菊名駅 - 新横浜駅

利用状況

菊名駅の1日平均乗降人員は、東急電鉄が約9.4万人、JR東日本が約3.6万人です。東急線内では日吉駅に次いで6位、JR線では横浜線の中で利用者が多い駅の一つです。ただし、2020年度以降は、新型コロナウイルスの影響や東急新[[横浜線]]の開業により、利用者が減少傾向にあります。

まとめ

菊名駅は、東急東横線とJR横浜線が乗り入れる重要な駅であり、地域住民や通勤・通学客に利用されています。かつては開かずの踏切が存在しましたが、立体交差事業によって解消され、駅周辺の利便性が向上しました。駅の構造や歴史、周辺環境など、さまざまな側面から菊名駅を理解することで、より深く駅の魅力を感じることができるでしょう。

もう一度検索