北仲通地区

横浜・北仲通地区の再開発：歴史と未来が交差する場所

横浜市中区に位置する北仲通地区は、横浜港開港以前の砂州「洲干島」の先端にあたる場所で、歴史的な背景を持つエリアです。現在では、みなとみらい線馬車道駅に近く、みなとみらい地区とも対岸に隣接するロケーションを活かし、大規模な再開発が進められています。

再開発の概要

北仲通地区の再開発は、都市計画道路「栄本町線」を境に北地区と南地区に分かれて進められています。北地区は、かつて生糸検査所や関連倉庫が立ち並んでいた場所であり、歴史的建造物の保存と活用を重視した再開発が行われています。一方、南地区は横浜市役所の新庁舎が建設された場所であり、新たな行政の中心地としての役割を担っています。

北仲通地区は、みなとみらい地区と関内地区の結節点としての役割も担っており、周辺地域との連携を強化する目的で、歩行者ネットワークの整備にも力が入れられています。具体的には、桜木町駅方面から横浜市役所がある南地区まで「さくらみらい橋」で接続したり、地区内を回遊できるデッキが整備されています。

2002年に完了した都市計画道路「栄本町線」の整備に合わせて再開発が本格化し、2012年には「横浜都心・臨海地域」の一部として、政令による「特定都市再生緊急整備地域」に指定されました。

北地区の開発

北地区では、大正末期から昭和初期にかけて建てられた歴史的建造物を保存・活用しながら、新たな施設を建設する再開発が進められています。かつては、「北仲BRICK」と呼ばれた旧帝蚕倉庫事務所や「北仲WHITE」と呼ばれた旧帝蚕ビルディングがあり、再開発着工前にはアーティストによる創作活動が行われていました。

現在、「北仲BRICK」は歴史的建造物として保存され、外壁などが復元された旧帝蚕倉庫とともに、文化発信拠点「アジアデザインマネージメントセンター（仮称）」として活用される予定です。また、再開発が本格化するまでの間、暫定施設としてフットサルコートの「キャプテン翼スタジアム」が開設されていました。

北仲通北地区の再開発計画

北仲通北地区の再開発は、複数の段階に分けて進められています。当初は、高さ約220mと約170mのタワーマンションを中心とした複合施設が計画されていましたが、世界的な不況の影響で着工が延期されました。

その後、開発計画が再開され、2012年には賃貸マンション「シャレール海岸通」が竣工しました。2013年以降は、森ビルや丸紅、日本セレモニーなどの企業が開発に参画し、超高層ビルや商業施設が建設されました。

段階別の開発

現在までに、以下の段階の開発が完了しています。

第1段階: 賃貸マンション「シャレール海岸通」が竣工。
第2段階: 結婚式場「ノートルダム横浜みなとみらい」が完成。
第3段階: 超高層複合ビル「YOKOHAMA KITANAKA KNOT」が完成。

また、第4段階として、集合住宅・ホテル等の複合開発や、アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉の建設が進められました。

主な施設

YOKOHAMA KITANAKA KNOT: 58階建ての超高層複合ビルで、商業施設、文化施設、ホテル、住宅が入っています。低層部には「KITANAKA BRICK&WHITE」という名称の商業・文化施設があり、「BankART KAIKO」も入っています。ホテル部分は「オークウッドスイーツ横浜」が運営しています。
ザ・タワー横浜北仲: YOKOHAMA KITANAKA KNOT内にある分譲マンションで、最上階の58階は市内最高層です。
アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉: 2,311室を有する大型ホテルです。
ノートルダム横浜みなとみらい: 結婚式場として利用されています。

今後の開発

第4段階として、以下の開発が計画されています。

大和地所と住友不動産による集合住宅・ホテル等の複合開発（2026年11月完成予定）。
日新、東急不動産、京浜急行電鉄、第一生命保険による複合施設開発（2027年6月完成予定）。

これらの開発により、北仲通地区はさらに魅力的な都市空間へと進化していくことが期待されます。

南地区の開発

南地区は、横浜市役所の新庁舎が建設された場所です。当初は「完全移転案」と「分庁案」が検討されましたが、最終的に完全移転の方針が決定しました。新市庁舎は2020年1月に竣工し、同年6月に移転が完了しました。

新庁舎の建設にあたっては、設計・施工一括（DB）方式が採用され、工期が短縮されました。また、高層棟と低層の議会棟から構成されており、周辺には屋根付きのアトリウム（広場）も整備されています。

南地区でのイベント

再開発が本格化する前には、以下のイベントが開催されました。

木下大サーカス横浜公演
東アジア文化都市2014横浜「ヨコハマ砂の彫刻展」

地区の回遊性を高める取り組み

北仲通地区では、地区内の回遊性を高めるために、建物2階レベルのデッキ（歩行者動線）が整備されています。これらのデッキは、各地区の開発を繋ぎ、周辺地域とのアクセスを向上させています。

また、北仲通南地区の横浜市役所新庁舎と接続する「北仲クロスデッキ」や、桜木町駅付近から新庁舎まで接続する「さくらみらい橋」も整備されており、歩行者にとって快適な移動空間が提供されています。

さらに、運河に面した地区は「北仲キャナル」と名付けられ、運河沿いの公園は「北仲キャナルパーク」として親しまれています。特に北仲通北第二公園では、盆踊りなどのイベントが開催されています。

まとめ

北仲通地区は、歴史的な背景と新たな開発が融合した魅力的なエリアです。今後も再開発が進むことで、横浜の新たなランドマークとして、さらに多くの人々に利用されることが期待されます。

その他

北仲通地区に関する詳しい情報は、以下のサイトをご覧ください。
一般社団法人横浜北仲エリアマネジメント
横浜市都市整備局
北仲キャナル（北仲通北公園愛護会）
KITANAKA BRICK&WHITE
ビルボードライブ横浜
BankART KAIKO（BankART1929）
横浜北仲マルシェ
オークウッドスイーツ横浜
アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉
ノートルダム横浜みなとみらい

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