横田隆雄

横田隆雄：競輪黎明期を支えた先駆者

横田隆雄（1917年1月13日 - 1980年6月30日）は、日本の元競輪選手であり、競輪創設期にその礎を築いた重要な人物です。選手登録番号14という初期の選手であり、1948年11月20日に小倉[[競輪場]]で開催された最初の競輪レースに出場しました。

戦前からの自転車競技の第一人者

横田は、その全盛期には第二次世界大戦の影響でオリンピックや世界選手権への出場は叶いませんでしたが、戦前より日本自転車競技界の第一人者として活躍しました。1937年には、明治神宮体育大会の1万メートル競走で日本新記録を樹立して優勝するなど、その実力は群を抜いていました。

競輪創設期における貢献

1948年、福岡国体の終了後、小倉の自転車競技場を利用して競輪が初めて開催されることになりました。しかし、当時は競輪という新しい競技に対する懐疑的な見方が強く、選手集めに苦労しました。そんな中、大阪の自転車競技界を代表する存在であった横田は、「俺が競輪へ行くのなら、お前たちはついてくるか」と後輩たちに呼びかけました。この一言がきっかけとなり、多くのアマチュア選手が競輪の世界に飛び込むことになったのです。

大阪住之江競輪場の誕生と活躍

小倉に遅れて、1948年12月には大阪府営競輪場（住之江競輪場）が誕生しました。横田はここをホームグラウンドとし、徹底先行型の選手として活躍しました。1949年6月には、全国規模の大会である全国争覇競輪（現在の日本選手権[[競輪]]）が住之江で開催されることになり、横田は32歳という選手としてはベテランの年齢ながらも、地元開催に特別な思いを抱き、優勝を目指しました。

初代ダービー王

第1回全国争覇競輪では、競走車部門が甲規格（金属リム）と乙規格（木製リム）に分かれて開催されました。横田は両規格で予選を全勝し、決勝でもライバルを圧倒して甲・乙両部門での完全優勝を果たし、初代ダービー王となりました。続く第2回大会でも甲部門で連覇を果たしましたが、乙部門では敗れ、ダブル優勝はなりませんでした。横田の32歳での優勝は、長らく日本選手権[[競輪]]の最年長優勝記録でしたが、2002年に更新されました。

引退後の活躍

横田は、第1回、第2回の全国争覇競輪での優勝後、第一線から退きました。その後は、競輪選手としての活動に加え、1951年には日本プロサイクリスト連合の常務理事に就任し、裏方としても競輪界の発展に尽力しました。特に、競輪廃止の危機があった際には、競輪側の代表として国会でその存続を訴えました。また、日本[[競輪選手会]]第2代理事長や世界自転車選手権日本代表監督も務め、競輪界に多大な貢献をしました。1967年8月5日に選手登録を消除し、1980年6月30日に生涯を閉じました。

横田隆雄は、競輪黎明期を支え、その後の発展に大きく貢献した人物として、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。

もう一度検索