橋本久太郎

橋本久太郎：地方から国へ、時代を駆け抜けた政治家

橋本久太郎は、安政2年（1855年）に阿波国板野郡川内村（現在の徳島県徳島市）に生まれ、大正15年（1926年）に没した政治家です。彼は、衆議院議員として長きにわたり国政に携わるとともに、東京市麹町区長としても地域社会に貢献しました。

学びの道から政治の世界へ

橋本は、幼少期に徳島藩校である長久館や阿部明誠塾で漢学を学びました。その後、明治7年（1874年）に上京し、共慣義塾や慶應義塾で洋学を修め、西洋の知識や思想を吸収しました。明治13年（1880年）に帰郷すると、翌年には県会議員に選出され、政治家としてのキャリアをスタートさせました。県会議員時代には、町村連合会議員、教育会評議員、衛生会評議員なども歴任し、多岐にわたる分野で地域社会に貢献しました。

国政への挑戦と衆議院議員としての活躍

明治23年（1890年）の第1回衆議院議員総選挙に立憲改進党から出馬し、見事当選。その後、進歩党、憲政党、憲政本党と所属政党を変えながらも、立憲政友会に所属し、連続10回当選という記録を打ち立て、23年間にわたり衆議院議員を務めました。この間、彼は地方の声を国政に届け、日本の近代化に尽力しました。

東京市麹町区長としての貢献

大正元年（1912年）には、東京市麹町区長に任命され、大正10年（1921年）までその職を務めました。区長在任中には、帝国水難救済会名誉会員、日本赤十字社特別委員にも選出され、社会福祉や人道支援にも積極的に関わりました。区長として、彼は地域住民の生活向上に尽力し、東京の発展に貢献しました。

橋本久太郎は、地方議員から国会議員へ、そして東京市麹町区長として、多様な分野で活躍した人物でした。彼の足跡は、地方自治の重要性、国政への積極的な参加、そして社会貢献の精神を私たちに教えてくれます。



参考文献
『徳島県歴史人物鑑』徳島新聞社、1994年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
『御大典記念 阿波人物鑑』徳島日日新報社、1928年。
三田商業研究会『慶応義塾出身名流列伝』実業之世界社、1909年。
* 山崎謙『衆議院議員列伝』衆議院議員列伝発行所、1901年。

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