橋杭岩

橋杭岩とは

和歌山県東牟婁郡串本町、太平洋に面した海岸線に、まるで橋の杭のように大小様々な岩が一直線に並ぶ奇景、それが橋杭岩です。北北西から南南東へ約850メートルにわたり、約40もの岩が海からそそり立つ姿は、自然の造形美を感じさせます。干潮時には、岩の列の中ほどにある弁天島まで歩いて渡ることができ、朱色の鳥居をくぐると祠があり、参拝も可能です。

自然が生み出した奇跡

橋杭岩は、約1500万年前の火山活動によって生まれました。当時、泥岩層の中に流紋岩が貫入し、その後の浸食作用によって、柔らかい泥岩が削られ、硬い流紋岩が杭のように残ったと考えられています。長い年月をかけて、自然が作り出した芸術作品と言えるでしょう。

弘法大師の伝説

この奇岩には、弘法大師と天邪鬼の伝説が残されています。弘法大師が天邪鬼と、串本から沖の島まで橋をかける賭けをした際、橋の杭をほぼ作り終えたところで、天邪鬼が鶏の鳴き声を真似て、朝が来たと勘違いさせたため、弘法大師は作業を中断し、杭だけが残ったという物語です。この伝説もまた、橋杭岩の魅力を引き立てています。

宝永地震の影響

橋杭岩周辺には、岩のそそり立つ場所から遠く離れた場所にまで転がっている岩が見られます。これは、1707年の宝永地震の際に発生した大津波によって運ばれたものと考えられています。実際に、岩の表面には、かつて湿った場所を好む植物や生物の化石が残っており、それらの調査から宝永地震の津波によるものであることが判明しました。また、岩を動かすためには秒速4メートル以上の流れが必要とされ、これは宝永地震のような連動型地震によって発生した津波の流速と一致しています。

周辺施設とアクセス

橋杭岩は、国道42号沿いに位置しており、観光スポットとして多くの人が訪れます。周辺には、土産物店や食事処などがあり、お土産には「うすかわ饅頭」が有名です。また、橋杭岩の近くには、快水浴場百選にも選ばれた「串本橋杭海水浴場」があります。

交通手段としては、JR紀勢本線串本駅から徒歩約20分、またはバスで約4分で到着します。また、最寄りの駅は紀伊姫駅です。

付近の施設

串本橋杭海水浴場
串本町立橋杭小学校
フェアフィールド･バイ･マリオット･和歌山串本
道の駅くしもと橋杭岩
橋杭観光センター
弘法湯（リニューアルオープン）

弘法湯について

橋杭岩の近くには、弘法大師が発見したと伝えられる弘法湯（単純硫黄泉）があります。2021年3月末に一度営業を終了しましたが、2022年9月にリニューアルオープンし、一棟貸しの施設として利用できるようになりました。

その他の情報

橋杭岩は、吉野熊野国立公園に属しており、国の名勝および天然記念物に指定されています。また、橋杭岩を通して見る朝日は、日本の朝日百選にも選ばれており、その美しい光景は多くの人々を魅了しています。

まとめ

橋杭岩は、自然の力と歴史が織りなす神秘的な景観です。串本町を訪れた際には、ぜひこの奇岩群を訪れて、その壮大な美しさを体感してください。

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