橘ますみ (女優)

橘ますみの生涯とキャリア

橘ますみ（たちばな ますみ、1945年11月5日生まれ）は、日本の女優であり、特に1960年代から1970年代にかけて活躍しました。本名も橘ますみで、大阪府大阪市に生まれました。立ち姿は160cm、かつてのスタイルはB87cm、W60cm、H88cmとされています。特技としては方位を得意としていました。

出自と芸能界入り

橘の生誕地については様々な説があり、『日本映画俳優全集・女優編』や『週刊明星』などの文献では大阪市生まれと記載されていますが、1969年の『映画情報』では東京生まれとされています。橘は6人姉妹の末っ子であり、1964年に四天王寺学園高校を卒業した後、同年にCMガールのオーディションを受けることで芸能界の門を叩きました。しかし、彼女の芸能活動には母親が強く反対していたことが知られています。

1966年には東映に入社し、1967年には『博奕打ち』で映画デビューを果たしました。その後、1968年4月から放送されたテレビドラマ『大奥』では、新人女優としての注目を浴び、お楽の方役を演じました。この役では20歳から32歳までを演じる難しい役どころであり、彼女は視聴者の心をつかみました。監督の倉田準二からは内面的な演技を求められ、演技の難しさを実感することになりました。

映画界での躍進

1968年、石井輝男監督が手掛けた『温泉あんま芸者』で主役に抜擢され、以降は石井作品に頻繁に出演するようになりました。この作品では、彼女が唯一バージンを守り通す役を演じ、脱がなかったものの、翌1969年の『残酷・異常・虐待物語 元禄女系図』で初めてヌードシーンに挑戦しました。以降、脱ぐことが多く、石井監督の作品には欠かせない女優としての地位を確立しました。1970年には、東映カレンダーの表紙も飾り、自身の名を一層広げました。

橘の出演した作品は計43本に上り、そのうち約3分の1でヌードを披露。彼女は自らのスタイルを誇り、男性週刊誌などにおいてもその美しい身体を惜しみなく披露し、人気を得ました。

引退とその後

1970年12月に持病の気管支炎が悪化し、女優業に対して嫌気がさしていった時期、彼女は東映に辞表を提出しました。しかし、東映は彼女を手放したくなかったため、休暇を取り、1971年には『ずべ公番長 ざんげの値打ちもない』で仕事に復帰し、活躍を続けました。しかし同年8月に父代わりの存在だった大川博社長が急逝し、その衝撃により引退を決意しました。正式に引退を受理されたのは1971年9月22日で、わずか25歳での決断となりました。

橘は引退後、「普通の女の子の生活がしたい」と述べ、東京のデザイン会社でOLとして働き始めました。また、引退前にはトニー谷司会の『アベック歌合戦』でアシスタントも務めていました。

2012年には、橘の特集上映が東京ラピュタ阿佐ヶ谷で行われ、再びその名が注目されることとなりました。彼女の独特のキャリアは多くのファンに影響を与え、今なおその存在感を留めています。

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