橘安吉雄

橘 安吉雄について

橘安吉雄（たちばな の あきお）は、平安時代初期から前期にかけての重要な貴族で、名は安吉麻呂とも呼ばれています。彼は参議・橘常主の子として生まれ、その名は当時の有力な家系の一員であったことを示しています。官位としては、従五位上・摂津守を務めたことが記録されています。

経歴

橘安吉雄の官歴は、承和14年（847年）に従五位下に叙爵されたところから始まります。翌年の承和15年（848年）には侍従に任ぜられ、彼の公務への関与が本格化しました。.

その後、嘉祥3年（850年）に伊予権介へ転任し、この時期から地方官としての職務が充実しています。この間、彼は上野介、信濃権守、信濃守といった地方官職を歴任し、文徳朝から清和朝にかけての長期にわたり、地方行政に携わりました。特に、貞観6年（864年）には従五位上に昇進し、同年には信濃守にも任命されるなど、その職務は重要性を増していきました。

さらに、貞観10年（868年）には治部大輔という京官に任ぜられますが、翌年の貞観11年（869年）には再び摂津守として地方官に復帰しました。これらの経歴を通じて、安吉雄は当時の政治や行政に大きく関与した貴族であったことが伺えます。

官歴

橘安吉雄の官歴は『六国史』に詳細に記載されています。具体的な年表を以下に示します。

• - 時期不詳：正六位上
• - 承和14年（847年） 正月7日：従五位下
• - 承和15年（848年） 5月14日：侍従
• - 嘉祥3年（850年） 正月14日：伊予権介
• - 斉衡2年（855年） 正月15日：上野介
• - 時期不詳：信濃権守
• - 貞観6年（864年） 正月7日：従五位上、正月16日：信濃守
• - 貞観10年（868年） 2月17日：治部大輔
• - 貞観11年（869年） 正月13日：摂津守

系譜

橘安吉雄の家族に関する情報は『尊卑分脈』によって伝えられています。彼の父は橘常主であり、母については不詳です。彼は飛鳥虎継の娘を妻に迎え、次男には橘良殖（864-920）を持ちました。その他にも、生母不明の子女を持ち、男子には橘良根、橘良基（825-887）といった子供がいます。安吉雄の血筋は、平安時代の貴族社会において重要な存在であり、彼の家系は長い間政治に関わりを持ち続けました。

結論

橘安吉雄は、平安時代の初期から前期にかけて活躍した貴族であり、その経歴や系譜は当時の貴族社会の一端を示すものです。彼の官歴からは、地方行政における重要性がうかがえ、貴族としての影響力を持っていたことが理解できます。また、彼の家族構成は、平安時代の貴族における血統や結婚を通じた政治的な意味合いを考察する上で貴重な資料となります。

もう一度検索