機動戦士ガンダム バンディエラ

機動戦士ガンダム バンディエラ

『機動戦士ガンダム バンディエラ』は、加納梨衣が手掛けた漫画で、2020年から2022年まで小学館の『週刊ビッグコミックスピリッツ』に連載されました。作品は宇宙世紀0079年の一年戦争を背景に、ジオン公国軍のモビルスーツ (MS) パイロットとしての運命を辿る元サッカー選手、ユーリー・コーベルの物語を描いています。その題名の「バンディエラ」は、イタリア語で「旗頭」を意味しており、サッカーにおいてはフランチャイズ・プレイヤーを指す言葉です。

制作の背景

本作は、矢立肇・富野由悠季の原作による『機動戦士ガンダム』の放映40周年企画として製作されました。特に宇宙世紀の文化に焦点を当てた作品は珍しく、今までの『ガンダム』シリーズではあまり掘り下げられなかった側面が特徴です。

連載初期には、蜷川実花が撮影したコスプレイヤーの桃月なしこの写真が表紙を飾り、また2021年には十味が地球連邦軍のコスプレを披露する企画もありました。さらに、ユーリー・コーベル専用ザクII MS-06Leも立体化され、メディア展開が行われました。

物語の概要

物語は、ジオン公国軍に参加したユーリーが「レプス部隊」を指揮するところから始まります。彼はかつてサッカー選手として国際大会で名を馳せたが、地球連邦軍に撃墜された仲間を失い、その悲劇を乗り越えるために軍に身を投じることとなります。サイド3に戻ると、彼の行動はマスコミによって広報され、彼の過去が再び注目を浴びます。この部隊は、連邦軍の補給物資を破壊する作戦に従事し、ユーリーは自身のサッカー経験を応用して戦術を練ることになります。

次の任務は、オデッサ基地からの要人救出です。ユーリーは恩師であるクラウデンと再会しますが、その後に続く連邦軍の攻撃には苦しめられます。ユーリーは仲間と共に任務を成功させるものの、次第に戦場の厳しさが彼らにのしかかります。特に、フラナガン機関で受けたニュータイプ適性試験を経て、セリダが強化人間手術を受ける決意をし、彼女の変化が物語をより複雑にしていきます。

登場人物の紹介

この作品には、ユーリーを中心に多くのキャラクターが登場します。ユーリー・コーベルは元サッカー選手であり、独自の戦術を持つパイロットです。彼の新たな仲間、セリダ・ミルウェイは心理カウンセラーを目指す女性で、彼を支える役割を果たします。また、マ・クベやアントレなど、旧作に登場するキャラクターも絡み合いながら物語は進展していきます。

特に、シモン・バラとの対峙は、物語の盛り上がりを支える重要な要素です。シモンもまた、サッカー選手から連邦軍のエースパイロットへと変貌を遂げるキャラクターであり、彼の成長や葛藤が物語に深みを与えます。最終的には、戦争の悲劇がキャラクターたちにも、そして彼らの未来にも大きな影を落とすことになります。

書誌情報

『機動戦士ガンダム バンディエラ』は全6巻で構成されており、2020年から2022年にかけて出版されました。

この作品は、戦争と友情、そして人間ドラマが交錯する魅力的な物語であり、ガンダムファンならずとも楽しめる内容となっています。

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