檜垣徳太郎

檜垣 徳太郎 (ひがき とくたろう)

檜垣徳太郎は、1916年10月31日に愛媛県松山市で生まれ、2006年10月15日に逝去した日本の農林官僚および政治家です。彼は自民党の参議院議員として3期にわたり活動し、農業政策の重要な推進者として知られています。

学歴と官僚生活

旧制松山高校を卒業後、1941年に東京帝国大学を卒業し農林省に入省しました。彼の入省成績は下から2番目という厳しいものでしたが、その後、農林経済局や農地局などの重要な職務を経て1971年までさまざまな役職を歴任しました。特に、彼は自主流通米制度の創設や減反政策において強力な指導力を発揮しました。

1968年には食糧庁長官に就任し、翌年には農林事務次官に昇進します。この時期、彼の手腕によって日本の農業政策が大きな変化を遂げることとなりました。官僚としてのキャリアを通じて、彼は農業の発展に寄与する数多くの施策を実施しました。

政治家としての活動

1971年、檜垣は第9回参議院議員通常選挙において全国区から立候補し、全国農業者農政運動組織連盟の支援を受けて初当選しました。その後、愛媛県選挙区に移り、連続して3回当選しました。自民党内では中曽根康弘派に属し、1982年から1983年にかけて第1次中曽根内閣の郵政大臣としても活躍しました。この期間中には、電電公社の民営化を決定したことが特筆されます。

また、彼は参議院の大蔵委員会や予算委員会の委員長を歴任し、農業政策に関する重要な論議をリードしました。しかし1989年の参院選では、自民党が消費税などの逆風に見舞われ、連合候補に敗れ落選。これをもって彼は政界を引退しました。

農業振興の活動

農政通としての檜垣は、自民党総合農政調査会会長や党果樹農業振興議員連盟会長などの要職を歴任しました。特に1981年からは全国農業会議所会長を21年間務め、農業の近代化と発展に尽力しました。彼のリーダーシップの下、多くの農業関連団体や団体の役職にも就き、農業の振興に貢献しました。

功績と栄誉

檜垣は数々の栄誉を受けており、1987年には勲一等瑞宝章、ドイツ連邦大功労十字賞、1993年には愛媛県功労賞を受賞しました。また、愛媛新聞賞や愛媛放送賞なども受けており、彼の長年にわたる農業への貢献が評価されています。

最晩年

2006年に亡くなるまで、檜垣は松山愛郷会の会長として地域活動にも深く関わっていました。10月15日午後4時37分、多臓器不全により神奈川県川崎市の病院で逝去。享年89歳。彼の死後、死亡日にさかのぼって正七位から従三位に昇叙され、その功績が称えられました。檜垣徳太郎の生涯は、日本の農業政策に多大な影響を与えた重要なものであり、彼は真の農星たる存在として長く記憶されるでしょう。

もう一度検索