櫛笥家

櫛笥家：皇室と繋がる名家の歴史

櫛笥家（くしげけ）は、藤原北家四条流を起源とする由緒ある公家・華族です。羽林家の家格を有し、明治時代の華族制度下では子爵位を授けられました。その歴史は、戦国時代における四条家の再興から始まり、江戸時代、明治時代と、日本の歴史と共に歩んできたことがわかります。

戦国時代からの系譜：四条家からの分家

櫛笥家の始まりは、戦国時代に四条家を再興した四条隆昌に遡ります。隆昌が一時的に家督を離れた際に、四条隆憲、そしてその弟である隆致が家督を継承しました。慶長6年（1601年）、隆昌が徳川家康の取り計らいにより四条家当主に復帰すると、隆致は新たな家系を築き、櫛笥家を創設しました。家名の由来は、平安京にあった櫛笥小路にちなむと言われています。

江戸時代：皇室との深い繋がり

江戸時代において、櫛笥家は皇室との深い繋がりを築き上げます。隆致の娘である隆子は後水尾天皇の妃となり、後西天皇の母として逢春門院の院号を贈られました。さらに、隆賀の娘である賀子は東山天皇の妃となり、中御門天皇を始めとする5人の皇子と1人の皇女を産み、新待賢門院の院号を贈られました。隆賀自身も従一位内大臣にまで昇進するなど、家門は栄華を極めました。江戸時代の石高は183石でした。

明治時代以降：華族としての地位と貢献

明治維新後、公家と大名家が華族に統合されると、櫛笥家も華族に列せられました。明治17年（1884年）の華族令施行により、旧堂上家として隆督が子爵位を授けられました。隆督は貴族院の子爵議員として政治にも参画し、同時に実業家としても活躍しました。櫛笥家の邸宅は、昭和前期には東京市中野区文園町にありました。

系譜と参考文献

櫛笥家の系譜は、複雑な婚姻関係や養子縁組によって形成されてきました。詳細な系譜は、様々な文献に記録されています。特に、華族に関する研究書や系図集は、櫛笥家の歴史を紐解く上で貴重な資料となります。例えば、『華族誕生 名誉と体面の明治』（浅見雅男）、『華族 近代日本貴族の虚像と実像』（小田部雄次）、『華族大鑑』（華族大鑑刊行会）、『公家事典』（橋本政宣編）、『平成新修旧華族家系大成』（霞会館華族家系大成編輯委員会）、『宮廷公家系図集覧』（近藤敏喬編）など、多くの研究書が櫛笥家の歴史を詳細に記述しています。これらの文献を参照することで、より深い理解を得ることが可能です。

まとめ

櫛笥家は、平安時代後期からの歴史を持つ名家であり、皇室との深い繋がり、そして華族としての活躍によって、日本の歴史にその名を刻んでいます。その栄光と繁栄の物語は、日本の歴史を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

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