櫻井規順

櫻井規順（さくらい きじゅん、本名：さくらい のりよし、1935年6月29日 - 2023年11月21日）は、日本の政治家であり、社会民主党静岡県連合の代表も務めました。参議院議員時代には、産業・資源エネルギーに関する調査会の会長も歴任しました。報道では新字体で「桜井規順」と表記されることもあります。

生い立ちと政治活動

静岡県富士市で生まれた櫻井氏は、父親が満蒙開拓団に参加したため、幼少期を旧満州で過ごしました。引き揚げ後は静岡県立静岡高等学校、静岡大学法経短期大学部で学びました。その後、静岡地区労の書記を経て日本社会党静岡県本部に所属し、県教宣局長や県本部副委員長などを歴任し、26年間にわたり党活動に尽力しました。

1989年の第15回参議院議員通常選挙では、静岡選挙区から日本社会党公認候補として立候補しましたが、選挙期間中に新幹線停車騒動が起こり、公認を取り消されるという事態に見舞われました。選挙運動を自粛せざるを得ない状況下にも関わらず、無所属でトップ当選を果たし、その政治手腕を発揮しました。当選後、共同会派「社会党・護憲共同」を経て日本社会党へ復党し、参議院では運輸委員会の理事などを務めました。また、参議院の産業・資源エネルギーに関する調査会では、1993年から1994年まで会長を務めました。1995年の第17回参議院議員通常選挙では落選しました。

参議院議員引退後と晩年

参議院議員引退後は、社会民主党静岡県連合の代表として活動しましたが、国政選挙での候補者擁立に苦慮し、党勢が低下する中で難しい舵取りを迫られました。2012年に代表を退任し、常任顧問に就任しました。また、満蒙開拓団や満蒙開拓青少年義勇軍の関係者らで組織される静岡県拓魂奉賛会の会長として、「拓魂祭」を執り行うなど追悼活動にも力を注ぎました。さらに、静岡県内の満蒙開拓団に関する著作を出版するなど、満蒙開拓移民の歴史を語り継ぐ活動を続けました。

2023年11月21日、腎不全のため静岡市の病院で逝去しました。88歳でした。死没日をもって正五位に叙され、旭日中綬章が追贈されました。

新幹線停車騒動

1989年の参議院選挙期間中、櫻井氏は新幹線を臨時停車させるという騒動を起こしました。当時、応援に駆けつけた土井たか子委員長の演説会場へ向かう際、乗車した新幹線が目的地の三島駅を通過する列車だったため、選挙対策委員会の幹部が車掌に懇願し、列車は三島駅で臨時停車しました。この一件は、乗客からのクレームを招き、日本社会党は櫻井氏の公認を取り消しました。JR東海はこの事件に関連し、当日の輸送指令長とその上司を処分しました。

著作

桜井規順編著『わが知のへるめすへ――人間・生活・地域に根ざす政治を求めて私の敬愛する友への手紙』1994年。（私家版）
櫻井規順著『静岡県と「満州開拓団」』静岡新聞社、2012年。ISBN 9784783803676

参考文献

『新訂 現代政治家人名事典 : 中央・地方の政治家4000人』日外アソシエーツ、2005年。

関連項目

第15回参議院議員通常選挙
* 満蒙開拓移民

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