欧州防衛機関

欧州防衛機関（EDA）

欧州防衛機関（European Defence Agency、EDA）は、欧州連合（EU）の共通外交・安全保障政策（CFSP）を担う専門機関の一つであり、ベルギーのブリュッセルに本部を置いています。2004年7月12日に設立され、EU理事会に活動状況を報告する義務を負っています。防衛に関する適用除外規定を持つデンマークを除く、全てのEU加盟国がEDAの活動対象となっています。

EDAの使命

EDAは、EU理事会の決定に基づき、EUの危機管理能力の向上と欧州安全保障防衛政策（ESDP）の維持を目的として設立されました。その使命は、以下の4つの主要な機能に集約されます。

1. 防衛能力の向上: EU加盟国の防衛能力を全体的に底上げし、より効果的な共同作戦遂行を可能にすることを目指します。
2. 防衛分野の研究・技術の促進: 防衛関連の研究開発を支援し、革新的な技術の創出を促進することで、EUの防衛技術基盤を強化します。
3. 軍備協力の促進: EU加盟国間の軍備協力を推進し、装備品の共同開発・調達などを支援することで、防衛資源の効率的な活用を目指します。
4. 競争力のあるヨーロッパ防衛装備市場の創設と、防衛に関するヨーロッパの技術・産業基盤の強化: 公正で透明性の高い防衛装備市場を構築し、EU域内の防衛産業の競争力を高めることで、EUの戦略的自律性を強化します。

機構

EDAは法人格を有し、主に以下の3つの機関によって運営されています。

機関首脳: EDA全体の責任者であり、組織運営、方針決定、運営委員会での閣僚会合の議長を務めます。
運営委員会: EDAの意思決定機関であり、参加国の防衛担当閣僚と欧州委員会の担当委員で構成されます。
長官: 機関職員の最上級職であり、各部局の監督・調整を担当します。

沿革

EDAは、西欧同盟（WEU）がEUの枠組みに機能を移管し廃止される中で、WEUの装備関連組織（西欧装備機構、西欧装備グループ）の任務を継承する形で設立されました。

歴代機関首脳

ハビエル・ソラナ
キャサリン・アシュトン（2009年12月1日 - ）

歴代長官

ニック・ウィトニー（2004年7月12日 - 2007年9月30日）
アレクサンダー・ヴァイス（2007年10月1日 - ）
イジー・セディヴ（2020年4月1日 - ）

関連項目

西欧同盟（WEU）
欧州連合の軍事
欧州防衛共同体（構想上の組織）
欧州合同軍
ドイツ・フランス合同旅団
欧州即応部隊（ERF）
欧州国家憲兵隊（EGF）
欧州連合戦闘群（EUBG）
欧州連合軍事参謀部（EUMS）
欧州連合・法の支配ミッション（EU RoL Mission）
* 欧州連合部隊（EUFOR）

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