欧磐

欧磐（おう はん）の生涯：明代の軍人としての軌跡

欧磐は、生年不詳ながら明代に活躍した軍人です。本貫は滁州であり、指揮使の位を世襲しました。彼の軍歴は、成化年間に広東都指揮僉事に抜擢されたことから本格的に始まります。この時期、欧磐は少数民族による反乱鎮圧に数々の功績を挙げ、その名を高めました。

広西における活躍

成化13年（1477年）、欧磐は総督の朱英の推薦により、広西右参将に任命され、柳州府・慶遠府の守備を任されました。左参将の馬義とともに融県八寨の瑶族を討伐し、これを制圧。しかし、凱旋後、残党が再び略奪を始めたため、欧磐は弾劾を受けることになります。成化帝は一時的に欧磐を罷免しましたが、その後、瑶族の方公強が反乱を起こすと、その武勇が再び必要とされ、兵部に弾劾されながらも、督撫の尽力により罪を赦され、元の任に戻ることとなりました。

成化23年（1487年）、鬱林州陸川県で黄公定・胡公明らが反乱を起こすと、欧磐は按察使の陶魯らと共に五道に分かれてこれを攻撃し、鎮圧に成功。その功績から都指揮同知に進みました。

再び戦場へ

弘治元年（1488年）、欧磐は病のため一時的に解職されますが、総督の秦紘が彼の戦歴と能力を高く評価し、再任を求めました。弘治帝はこれを受け入れ、欧磐は再び戦場へと戻ります。弘治8年（1495年）には、府江・永安の僮族が反乱を起こすと、総督の閔珪が6万の兵を動員し、四方から討伐を開始。欧磐は象州・修仁から陸峒を直撃し、諸軍と協力して山寨180か所を陥落させ、6000人以上を討ち取るという大戦果を挙げました。この功績により、都指揮使に進み、広西副総兵へと転じました。

思恩府の戦いとさらなる昇進

思恩府土官の岑浚が、丹良荘に石城を築き、河川交通を遮断して商利を独占していた際、帥府はこれの破壊を命じましたが、岑浚はこれを拒否。欧磐は田州府からの帰還後、兵を率いてこの石城を攻撃し破壊。岑浚の軍を撃破し、城兵を皆殺しにしました。この功績により、弘治12年（1499年）、都御史の鄧廷瓚らが欧磐の功績を朝廷に報告し、欧磐は都督僉事に昇進しました。

弘治15年（1502年）には、平蛮将軍の印を授けられ、総兵官として湖広に駐屯。欧磐の軍事的な才能は、明朝の安定に大きく貢献しました。

引退と最期

弘治18年（1505年）、欧磐は老齢を理由に致仕を願い出て、その軍人としての長いキャリアに幕を閉じました。正徳2年（1507年）9月、欧磐は世を去りました。彼の生涯は、明代の軍人として数々の戦いを経験し、その武勇と功績を讃えられるものでした。

欧磐の足跡は、明史にその名を刻み、後世に語り継がれています。

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