歌壇賞

歌壇賞について

歌壇賞は、本阿弥書店が発行する月刊短歌総合誌「歌壇」が主催する、短歌の新人賞です。短歌愛好家向けのコンテストとは異なり、プロの歌人を発掘することを目的とした登竜門として位置づけられています。

概要

応募作品は未発表の短歌30首で、毎年9月30日が締め切りです。受賞作および選考結果は、翌年2月号の「歌壇」誌上で発表され、2月上旬には東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で授賞式が開催されます。

選考委員は、短歌界を代表する歌人たちが務めます。過去には、伊藤一彦、来嶋靖生、小島ゆかり、今野寿美、道浦母都子、内藤明、東直子、水原紫苑、吉川宏志などが選考に携わってきました。受賞者には、賞状・賞牌に加え、副賞として賞金20万円が授与されます。

歌壇賞は1990年に第1回が開催されました。本阿弥書店が発行する俳句雑誌「俳壇」が主催する俳句の新人賞「俳壇賞」と同時期に選考、授賞式が行われますが、「俳壇賞」は1987年に創設されており、「歌壇賞」よりも3年早く発足しています。

歴代受賞者

以下に、第1回から第36回までの受賞者と受賞作品を記載します。

第1回 1990年 「Bird lives － 鳥は生きている」 白瀧まゆみ
第2回 1991年 「さびしい男この指とまれ」 大村陽子
第3回 1992年 「駅までの距離」 壇裕子
第4回 1993年 「つばさを奪ふ」 目黒哲朗
第5回 1994年 「聖文字の葉」 西﨑みどり、「黄のキリスト」 吉見道子
第6回 1995年 「私をジャムにしたなら」 河野小百合、「睫はうごく」渡辺松男
第7回 1996年 「草かんむりの訪問者」 東直子
第8回 1997年 「風の昼」 永田紅
第9回 1998年 「蒼の重力」 本多稜
第10回 1999年 「隠国」 小黒世茂
第11回 2000年 「晩夏の川」 田中拓也、「アクトレス」 渡英子
第12回 2001年 「千里丘陵」 小林信也
第13回 2002年 「上唇に花びらを」 田村元
第14回 2003年 「水の種子」 守谷茂泰、「極圏の光」 中沢直人
第15回 2004年 「茅渟の地車」 熊岡悠子
第16回 2005年 「石笛」 青沼ひろ子
第17回 2006年 「水ぢから」 米田靖子、「夕暮れを呼ぶ」 樋口智子
第18回 2007年 「コントラバス」 細溝洋子
第19回 2008年 「硝子のモビール」 柳澤美晴
第20回 2009年 「ここは夏月夏曜日」 佐藤羽美
第21回 2010年 「真夜中のサーフロー」 長嶋信
第22回 2011年 「マジックアワー」 佐藤モニカ
第23回 2012年 「光と、ひかりの届く先」 平岡直子
第24回 2013年 「湖と引力」 服部真里子
第25回 2014年 「あしたのこと」 佐伯紺
第26回 2015年 「花を踏む」 小谷奈央
第27回 2016年 「微笑みに似る」 飯田彩乃
第28回 2017年 「利き手に触れる」 大平千賀、「風に膨らむ地図」 佐佐木頼綱
第29回 2018年 「Lilith」 川野芽生
第30回 2019年 「灯台を遠くはなれて」 高山由樹子
第31回 2020年 「知りつつ磨く」 小山美由紀
第32回 2021年 「ハイドランジア」 帷子つらね
第33回 2022年 「空であって窓辺」 中井スピカ
第34回 2023年 「彼岸へ」 久永草太
第35回 2024年 「ハーフ・プリズム」 早月くら
第36回 2025年 「風のたまり場」　津島ひたち

関連項目

角川短歌賞
短歌研究新人賞
笹井宏之賞
現代短歌評論賞
石川啄木賞

外部リンク

本阿弥書店

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