永田紅

永田紅（ながた こう）

1975年5月31日生まれ。日本の生化学研究者であり、歌人としても知られています。京都大学で助教を務めています。滋賀県出身で、歌人一家に育ちました。父は歌人の永田和宏、母は歌人の河野裕子、兄も歌人の永田淳という環境で、幼少期から短歌に親しんできました。

人物

13歳で父が主宰する短歌結社「塔」に入会し、歌人としてのキャリアをスタートさせました。同志社高等学校を経て、京都大学農学部を卒業。その後、京都大学大学院農学研究科博士課程を修了し、2004年に博士（農学）の学位を取得しました。博士論文のテーマは「多剤耐性および膜脂質動態に関わるABCタンパク質の機能解析」でした。

研究者としては、東京大学大学院リサーチフェローや京都大学物質-細胞統合システム拠点（iCeMS）の研究員を経て、現在は京都大学で助教として活躍しています。特に、細胞膜輸送体の研究において、生細胞内での1分子観察技術を駆使し、そのメカニズムの解明に貢献しています。2010年には、欧州生化学連合（FEBS）の分科会で、その研究成果が評価され、最優秀若手研究者賞を受賞しました。

歌人としての活動も活発で、大学在学中から『塔』や京都大学短歌会に所属し、数々の作品を発表しています。1997年には歌集『風の昼』で第8回歌壇賞を受賞し、2001年には第一歌集『日輪』で第45回現代歌人協会賞を受賞しました。2013年には、京都府文化賞奨励賞を受賞。さらに、2023年には第五歌集『いま二センチ』で第28回若山牧水賞を受賞するなど、その才能は高く評価されています。

著書

第1歌集『日輪』 砂子屋書房 2000年12月 ISBN 4790405524
第2歌集『北部キャンパスの日々』 本阿弥書店（塔21世紀叢書） 2002年10月 ISBN 4893738615
『現代短歌最前線 新響十人』（石川美南、生沼義朗、黒瀬珂瀾、笹公人、島田幸典、野口恵子、松野志保、松村正直、松本典子共著）北溟社 2007年3月 ISBN 4894485419
第3歌集『ぼんやりしているうちに』 角川学芸出版（21世紀歌人シリーズ） 2010年10月 ISBN 4046218304
『家族の歌 河野裕子の死を見つめた344日』（河野裕子、永田和宏、永田淳共著）産経新聞出版 2011年2月 ISBN 4819111221
第4歌集『春の顕微鏡』 青磁社 2018年9月
第5歌集『いま二センチ』 砂子屋書房（塔21世紀叢書） 2023年2月 ISBN 9784790418566

テレビ出演

「ETV特集 この世の息～歌人夫婦・40年の相聞歌～」 - ETV特集（NHK教育テレビ）（2011年7月10日）
「FNNスーパーニュースアンカー」18時台の特集 - 関西テレビ（2012年4月18日）
「NHK短歌 題“眼”／愛の歌(4)兄弟姉妹」 - NHK短歌（NHK教育テレビ）（2012年7月1日）
「NHK短歌 題“電”／日常の歌と時代 電気」 - NHK短歌（NHK教育テレビ）（2012年7月8日）
「NHK短歌 題“夢”／歌ことばの力 都市の風俗を歌う」 - NHK短歌（NHK教育テレビ）（2012年7月15日）
プレミアムドラマ「うたの家〜歌人・河野裕子とその家族」（2012年8月26日、NHK BSP）- 役:倉科カナ

外部リンク

第1回 iCeMSクロストーク：永田紅 × 山中伸弥 - 山中伸弥との対談を収めた動画
【ETV特集】「この世の息～歌人夫婦 40年の相聞歌～」7/10(日)夜10時
18時台の特集/2012年4月18日放送のバックナンバー｜スーパーニュース アンカー


永田紅は、研究者として最先端の研究に携わる一方で、歌人としてもその才能を発揮し、現代短歌の世界で重要な役割を果たしています。その多才な活躍は、今後も多くの注目を集めることでしょう。

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