歌時記 〜ふたりのビッグ（エッグ）ショー篇〜

ゆず ライブアルバム『歌時記 〜ふたりのビッグ（エッグ）ショー篇〜』：東京ドーム公演の熱気を凝縮

2001年7月14日、セーニャ・アンド・カンパニーより発売されたゆずの2作目のライブアルバム『歌時記 〜ふたりのビッグ（エッグ）ショー篇〜』は、2001年6月29日に東京ドームで行われたライブの模様を収録した作品です。このライブの模様は、5ヶ月後の12月26日にリリースされたDVD「Live Films ふたりのビッグ(エッグ)ショー 〜2時間53分 TOKYO DOME 完全ノーカット版〜」にも完全収録されています。

アルバムは、ライブ終了直後から選曲作業が始まったという、まさに熱気を帯びた制作過程を経て誕生しました。当時のインタビューでは、精神的にも肉体的にも非常にハードな作業だったと語られており、その臨場感が作品に反映されていると言えるでしょう。

特筆すべきは、ブックレットのデザインです。歌詞カードの代わりに、たまごが主人公の漫画仕立ての写真が掲載されています。この独特の演出は、ライブの雰囲気やゆずの遊び心を感じさせる、アルバム全体の個性となっています。

収録されている楽曲は、ゆずの代表曲から、ライブでしか聴けないレアな楽曲まで多岐に渡ります。 中には、キャンディーズのカバー曲『春一番』も収録されており、路上時代によく歌っていた楽曲を、夏を意識したアレンジで新たに披露しています。このカバー曲は、ゆずのアルバムで他のアーティストの曲をカバーしている初めての事例となっています。さらに、2018年にはゆずがカバーした『春一番』が伊藤園「お〜いお茶」のCMソングとして起用されるなど、幅広い世代に愛される楽曲となっています。

また、ミニアルバム『ゆずマン』からの楽曲、『いこう』『ところで』『〜風まかせ〜』も収録。さらに、1stアルバム『ゆず一家』からの『境界線』、3rdアルバム『トビラ』からの『ねぇ』、そしてシングル曲の数々、『センチメンタル』『くず星』『心のままに』『夏色』『3カウント』『友達の唄』『嗚呼、青春の日々』『飛べない鳥』『いつか』と、ゆずのキャリアを彩る楽曲が勢揃いしています。特に『くず星』は、本作と『ゆずのみ〜拍手喝祭〜 日替わり全曲集+1』でのみ収録されている貴重な楽曲です。

楽曲の演奏だけでなく、MCなども収録されており、北川悠仁による楽曲紹介など、ライブの臨場感をより一層高める演出も見られます。『いつか』では、観客が一緒に歌う様子も収録されており、東京ドームという大きな会場で一体となったファンとゆずの感動的な瞬間を味わうことができます。

『歌時記 〜ふたりのビッグ（エッグ）ショー篇〜』は、単なるライブ音源集ではなく、その制作過程からブックレットのデザイン、そして選曲に至るまで、ゆずのこだわりと情熱が詰まった、まさに「ライブそのもの」を体感できる作品です。東京ドームという特別な空間で繰り広げられた、ゆずと観客の熱狂的な一体感を、今一度味わってみてください。

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