正定寺 (古河市大手町)

正定寺（しょうじょうじ）

正定寺は、茨城県古河市大手町に位置する浄土宗の寺院です。証誠山宝地院正定寺と号し、利勝山とも呼ばれます。江戸時代初期、古河城主であった土井利勝が開基し、当誉玄哲を開山として創建されました。土井家歴代の菩提寺であり、古河城の北側に隣接する武家地に位置していました。

歴史

略縁起によれば、開山の玄哲は増上寺十三世・廓山上人の弟子で、大和国出身でした。下大野にあった同名の正定寺の住職でしたが、土井利勝に招かれ、この地に寺を開きました。両寺は土井家の菩提寺として保護を受けました。

土井家の墓所は元々浅草の誓願寺にありましたが、関東大震災後の復興工事のため、昭和2年に正定寺へ移転・改葬されました。さらに平成2年には、増上寺内にあった土井利勝の墓碑も移設されています。

境内

境内は約3,700平方メートルの広さを持ちます。本堂は過去に2度焼失しており、現在の本堂は天保3年（1832年）に11代古河城主・土井利位によって再建されました。境内には本堂の他、赤門、黒門、鐘楼堂があります。

春日局が徳川家光から拝領し、堀田正俊が譲り受けたと伝わる開運弁財天を祀る弁天堂、稲荷堂、芭蕉塚、徳川家綱の生母・お楽の方の墓などもあります。赤門は安永4年（1775年）に8代土井利里が建立し、黒門は昭和8年（1933年）に東京の土井邸から移築されました。

本尊の阿弥陀如来像の他、観音菩薩像、勢至菩薩像、善導大師像、法然上人像が安置されています。

文化財

正定寺には、数多くの文化財が所蔵されています。

旧土井家江戸屋敷表門（黒門）: 本郷にあった旧古河藩主・土井家の下屋敷表門で、昭和8年に移築・寄進されました。薬医門構造で、古河市指定文化財に指定されています。
土井家墓所: 古河市指定文化財（史跡）です。
絹本着色土井利勝肖像画: 土井利勝晩年の衣冠束帯姿を描いたもので、茨城県指定文化財（絵画）です。
絹本着色土井利益夫妻肖像画: 土井家第五代城主・利益夫妻の肖像画で、古河市指定文化財（絵画）です。
土井家遺品: 荷物札、中啓、烏帽子など23点が古河市指定文化財（歴史資料）となっています。

古河七福神めぐり

境内の弁天堂は、毎年1月に開催される「7000歩で歩ける 古河七福神めぐり」のコースの一部となっています。

交通

JR宇都宮線古河駅西口から徒歩約14分
* 東武日光線新古河駅東口から徒歩約22分

正定寺は、土井家ゆかりの歴史と文化が息づく、貴重な寺院です。古河を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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