正観寺 (菊池市)

正観寺（しょうかんじ）

正観寺は、熊本県菊池市隈府に位置する臨済宗南禅寺派の寺院です。山号を熊耳山と称し、本尊には釈迦如来が祀られています。

歴史

寺の創建は1344年（興国5年）に遡ります。菊池武光が、聖福寺の大方元恢和尚を招き、この地に寺を建立しました。

寺伝によれば、1333年（元弘3年）、菊池武光の父である菊池武時が、勅命により博多の鎮西探題であった北条英時を襲撃した際、武光も同行していました。しかし、少弐貞経や大友貞宗の裏切りにより形勢不利を悟った武時は、幼い武光を博多の臨済宗聖福寺の大方元恢和尚に託し、自らは探題館へ討ち入り戦死しました。大方元恢和尚は武光を無事に守り抜き、後に菊池へ送り届けました。

武光は、この恩に報いるため、自らが当主となった後、大方元恢和尚を招いて正観寺を建立し、菊池氏の菩提寺としました。正観寺は、菊池五山よりも上位の別格寺院として扱われ、菊池為邦の時代には臨済宗の十刹の一つにも数えられました。

最盛期には、境内に十四房もの建物を有し、十数以上の末寺を抱え隆盛を誇りましたが、菊池氏の衰退とともに寺勢も衰えていきました。

境内

正観寺の境内には、本堂を中心に、禅宗寺院特有の伽藍配置がなされています。静寂な雰囲気の中で、歴史の重みを感じることができます。

その他

正観寺は、菊池氏ゆかりの寺院として、地域の歴史や文化を今に伝える重要な場所となっています。菊池氏の盛衰を物語る貴重な史跡として、訪れる人々を魅了し続けています。

関連情報

菊池五山：正観寺の他にも、菊池氏ゆかりの五つの寺院が存在します。
日本遺産：菊池氏に関する文化遺産は、日本遺産に登録されています。

外部リンク

正観寺と菊池五山 - 菊池一族（菊池市役所教育委員会）
正観寺（菊池武光公墓所） - 菊池観光協会

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