武平町

武平町（ぶへいちょう）

武平町は、愛知県名古屋市東区に位置する地名です。現在、その町域はごく一部、5丁目1番地の一区画のみを残すのみとなっています。2019年2月1日の調査によると、この地域の人口は0人であり、住民は存在しません。

地理

武平町は名古屋市東区の南西端に位置し、東から南にかけては中区、西は久屋町、北は東桜一丁目に接しています。かつては南北に細長い町域を持ち、東は東片端町、下竪杉町、杉ノ町、駿河町、七曲町、西は南外堀町、中市場町、久屋町、神楽町、南は新栄町、北は東外堀町と広範囲にわたって接していました。

歴史

地名の由来

武平町の地名は、清洲越しの際に普請奉行を務めた松井武兵衛がこの地に屋敷を構えたことに由来します。当初は武兵衛町と呼ばれていましたが、後に武平町と改称されました。

沿革

明治4年：武平町筋の片端筋から伝馬町筋にかけて、武平町1～3丁目が成立しました。
1878年（明治11年）：名古屋区の成立に伴い、武平町は同区に属することとなりました。また、一部が杉ノ町として分離しました。
1889年（明治22年）：名古屋市の成立に伴い、同市の武平町となりました。
1900年（明治33年）：愛知県庁が南久屋町から愛知県師範学校跡地に新庁舎を整備し移転しました。
1908年（明治41年）：東区の成立に伴い、同区の武平町となりました。
1911年（明治44年）：中区南武平町の一部が編入されましたが、資料によっては全部が編入されたとする記述もあります。
1912年（大正元年）：東区武平町5-2に愛知信託株式会社が設立されました。
1927年（昭和2年）：財団法人坂文種報徳会により、東区武平町2丁目に武平町療養所が開設されました。
1938年（昭和13年）：愛知県庁が南外堀町の新庁舎へ移転しました。
1944年（昭和19年）：栄区の成立に伴い、同区の武平町となりました。
1945年（昭和20年）：栄区の廃止に伴い、東区の武平町に戻りました。
1976年（昭和51年）：住居表示の実施により、武平町の一部が泉一丁目、東桜一丁目に編入され、また一部が新栄町、久屋町に編入されました。
1980年（昭和55年）：一部が泉一丁目に編入されました。

現在の状況

現在、武平町の町域は5丁目の一部のみとなっており、名古屋栄ビルディングがその場所に立地しています。

史跡

江戸時代、この地は武家町であり、星野勘左衛門、儒学者の松平君山、国学者の市岡猛彦などの邸宅がありました。

その他

郵便番号：461-0008（集配局：名古屋東郵便局）

関連人物

武平町は、以下の著名な人物と関わりがあります。

豊田佐吉：この地に工場を設立しました。
豊田喜一郎：この地に居住した経験があります。
渡辺勝：武平町で生まれました。
松井石根：武平町の地名の由来となった松井武兵衛の末裔とされています。

参考文献

名古屋市会事務所 編『名古屋市会史 別巻第2 総合名古屋市年表（大正編）』名古屋市会事務所、1963年3月10日。
名古屋市会事務局 編『総合名古屋市年表 昭和編 一』名古屋市会事務局、1964年11月25日。
有限会社平凡社地方資料センター 編『日本歴史地名大系第23巻 愛知県の地名』平凡社、1981年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。
名古屋市教育委員会 編『名古屋の史跡と文化財（新訂版）』（第二版）名古屋市教育委員会、1991年10月31日。
『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年。

関連項目

名古屋市の地名
名古屋公衆図書館

外部リンク

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