武英殿

武英殿について

武英殿（ぶえいでん）は、満洲語で「horonggo yangsangga deyen」と呼ばれる歴史的な建物であり、明の永楽18年（1420年）に北京の紫禁城内南西隅に建設されました。この建物は、南東に位置する文華殿と密接な関係があり、相互に一対をなす存在として知られています。

乾隆年間の出版活動

清の乾隆年間には、武英殿内に刻書処が設立され、殿版と呼ばれる特別な書籍が発行されるようになりました。1773年には、『四庫全書』の編纂作業が始まり、特に『永楽大典』から抽出した貴重な書籍が武英殿から刊行されることとなりました。経費を節約するために、銅活字の代わりに木活字を用いた印刷方法が導入され、このスタイルで刊行された書籍は「武英殿聚珍版」と名付けられました。この名称は、乾隆帝が木活字版に与えた雅称でもあります。

印刷方法について詳しくは、『欽定武英殿聚珍板程式』という資料に図解入りで説明されています。武英殿で刊行された木活字版の書籍は、四部分類に分類され、約130から140種という豊富な種類に達しました。これらは『武英殿聚珍版全書』や『武英殿聚珍版叢書』と呼ばれ、中国の各省に配布されました。また、複製が許可されていたため、各地で再版され、1899年には広東省の広雅書局からの版が広まることとなります。興味深いことに、これらの重版本は置かれた整版の木版印刷で印刷されましたが、それでも「聚珍版」の名称はそのまま使用され続けました。

中華民国以降の変遷

辛亥革命以降、武英殿は古物陳列所としても使用されました。中華人民共和国成立以降は、最初に中央革命博物館籌備処が設置され、後には国家文物局の対外文物交流センターとして利用されました。しかし、2002年に国家文物局が移転した後、2005年から大規模な修復が行われ、故宮博物院の書画館として一般公開されるようになりました。

結論

武英殿は、ただの歴史的建物にとどまらず、知識と文化の守護者としての役割を果たしてきました。特に出版においては、その存在意義が強く、文化資産としての重要性をわかりやすく示しています。現在も故宮博物院での展示を通じて、その歴史を感じることができます。

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