歩兵突撃章

歩兵突撃章（Infanterie-Sturmabzeichen）

歩兵突撃章は、ナチス・ドイツ時代に制定された戦功章で、特に歩兵及び猟兵、山岳猟兵に所属する兵員が突撃に参加した際に授与されました。この勲章は、与えられる際に兵士の勇敢さや戦闘への貢献を認める重要な役割を果たしました。歩兵突撃章は初めて制定された1939年から1940年にかけて、主に陸軍や武装親衛隊の兵士に授与されました。

1. 歩兵突撃章の種別

歩兵突撃章は、制定当初は銀章のみでしたが、その後、二種類の章へと分類されました。代表的なものは銀章と銅章で、授与される兵士の種類によって異なる基準が適用されていました。

1.1 銀章

銀章は1939年12月20日に陸軍総司令部のヴァルター・フォン・ブラウヒッチュによって正式に制定されました。この章は、特定の条件を満たした歩兵連隊の兵士に授与されました。主な授与基準は次の通りです：

• - 別々の日に行われた突撃に三回以上参加した者
• - 突撃の際に第一線で武器を手にし、肉弾戦を遂行した者
• - 成功した反撃も突撃として計上される
• - 偵察任務も突撃に含まれる

また、後には武装親衛隊や秩序警察の構成員もこの銀章を受け取る資格が得られました。

1.2 銅章

銅章は1940年6月1日に制定され、自動車化歩兵連隊の兵士を始めとする特定の兵種に授与されました。授与の基準は銀章とほぼ同じで、具体的には以下のような兵士が対象となりました:

• - 自動車化歩兵連隊の歩兵
• - 歩兵連隊や擲弾兵連隊の機関銃兵
• - 歩兵砲兵や対戦車砲兵

このように、銀章と銅章は共に兵士の敵に対する攻撃への参加を称えるために存在しています。

2. デザインと変遷

歩兵突撃章のデザインはベルリンの「C. E. Juncker」社によって制作されました。デザインはライヒスアドラー、つまり鉤十字を掴む鷲を中心に、着剣されたKar98k小銃が両脇に配置され、その周囲を四枚の柏葉が円状に囲む形となっています。

1957年にナチス・ドイツ時代の勲章が新たな勲章へと取り換えられる際に、歩兵突撃章からも鉤十字が除去されました。この改変により、旧ドイツ時代の象徴が見直され、戦後の新しい文化と価値観に対応したデザインとなりました。

3. 関連項目

• - 一般突撃章: 歩兵科と装甲科以外の兵士に対する突撃章です。
• - 戦車突撃章: 装甲科に属する兵士が受け取る突撃章です。

このように、歩兵突撃章はその歴史的背景とデザイン、授与基準の多様性を通じて、ナチス・ドイツ時代の軍事文化を理解するための重要な資料となっています。

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