歩兵第21連隊

歩兵第21連隊

歩兵第21連隊は、大日本帝国陸軍の連隊の一つです。その歴史は、1884年（明治17年）に広島で編成されたことに始まります。本連隊は、日清戦争、日露戦争、そして第二次世界大戦（太平洋戦争）など、数々の戦役に参加しました。

概要

連隊の衛戍地（駐屯地）は現在の島根県浜田市黒川町一帯にあり、当時の面影を残す立哨小屋や門柱が現存しています。また、1997年（平成9年）に国の登録有形文化財に登録された「雨覆練兵場」は、現在も浜田市立第一中学校の屋内運動場や島根県立浜田高等学校の第二体育館として利用されています。これは、戦前の軍事施設が現代の教育施設として活用されている貴重な例と言えるでしょう。

沿革

明治時代

1884年（明治17年）：独立第1大隊と第2大隊を基幹として広島城内で編成されました。
1886年（明治19年）8月17日：軍旗を授与されました。
1888年（明治21年）5月：第5師団が創設され、その隷下となりました。
1894年（明治27年）：日清戦争に従軍しました。
1898年（明治31年）7月24日：島根県浜田へ駐屯地を移しました。

日露戦争

1904年（明治37年）：日露戦争に従軍しました。

大正時代

1907年（明治40年）：第5師団から第17師団へ所属が変更されました。
1925年（大正14年）5月1日：第17師団の廃止に伴い、再び第5師団の所属となりました。

昭和時代

1937年（昭和12年）8月12日：日中戦争勃発後、沙河鎮に到着し、万里の長城沿いの作戦に参加しました。
1937年（昭和12年）8月23日：鎮辺城の戦いの後、万里の長城に初めて日章旗を立てました。
1938年（昭和13年）3月：徐州会戦に参加しました。
1938年（昭和13年）10月：広東攻略戦に参加しました。
1939年（昭和14年）2月：華中での作戦に参加しました。
1940年（昭和15年）9月：仏印に進駐しました。

太平洋戦争

1942年（昭和17年）1月：マレー作戦に参加し、同地を占領後、約10ヶ月間警備任務に就きました。
1942年（昭和17年）12月2日：第3大隊は特設巡洋艦清澄丸に乗船し、ラバウルに向けて出発しました。しかし、マダン島、ウェワク攻略の「ム号作戦」に転用され、護国丸に乗り換えてマダン島へ向かいました。航海中にはアメリカ軍の爆撃機による攻撃を受けました。
1942年（昭和17年）12月18日：マダン島に上陸し、30日に出発しました。
1943年（昭和18年）：第3大隊がラエ・サラモアの戦いのラエ攻防戦に参加しました。

歴代連隊長

歴代の連隊長については、資料が限られているため、詳細な情報は割愛します。

参考文献

『日本陸軍連隊総覧 歩兵編(別冊歴史読本)』新人物往来社、1990年。
原 剛『明治期国土防衛史』錦正社、2002年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『官報』
木俣滋郎『日本軽巡戦史』図書出版社、1989年。
アジア歴史資料センター（公式）（防衛省防衛研究所）
Ref.C08030063400『昭和十七年十二月二十四日 外南洋部隊RA方面護衛隊戦闘詳報』。
Ref.C08030063500『昭和十七年十二月二十四日 外南洋部隊RA方面護衛隊戦闘詳報』。

関連項目

大日本帝国陸軍連隊一覧

外部リンク

歩兵第２８連隊～”. NHK 戦争証言アーカイブス. 日本放送協会 (2008年3月26日'>ガダルカナル　繰り返された白兵突撃　～北海道・旭川歩兵第２８連隊～. 2016年9月7日閲覧。) - NHK 戦争証言アーカイブス
* 連隊第三大隊　馬来、ニューギニアの死闘” (pdf'>浜田第二十一連隊第三大隊　馬来、ニューギニアの死闘. 平和祈念展示資料館. 2018年7月29日閲覧。) - 平和祈念展示資料館

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