歩兵第42連隊

歩兵第42連隊（ほへいだい42れんたい）

歩兵第42連隊は、大日本帝国陸軍に編成された歩兵連隊の一つです。日清戦争が終結した後の明治29年（1896年）に広島において部隊が編成され、その後、衛戍地を山口県へと移しました。明治31年（1898年）3月24日には部隊の象徴である軍旗が授与されています。本連隊は、陸軍の中でも特に歴史が長い第5師団の隷下部隊として位置づけられ、太平洋戦争開戦時には「鯉5175」という通称号が付与されていました。山口県に衛戍地を置いた関係から、秋吉台などにおいて演習を実施していました。

沿革と主な活動

本連隊は、第5師団の一部として、様々な戦役に参加しました。編成後の比較的早い時期には、義和団の乱に対応するための北清事変や、その後の日露戦争、さらに大正期におけるシベリア出兵などに出動しています。

大正3年（1914年）7月15日には、特命検閲の一環として行われていた演習中、多数の兵士が熱射病に見舞われるという痛ましい事故が発生しました。この際、7名が死亡し、数十名が重症を負っています。

昭和12年（1937年）に日中戦争が勃発すると、本連隊を含む第5師団は同年7月27日には支那駐屯軍の隷下に入り、中国北部（華北）へと出動しました。ここでは、チャハル作戦や太原攻略戦といった主要な作戦に参加しています。その後、部隊は中国南部（華南）に転じ、広東攻略戦では広州南方の虎門に上陸し、地域の占領にあたりました。

昭和15年（1940年）9月には、フランス領インドシナへの進駐（北部仏印進駐）に参加し、同年11月にはハノイに進出しました。その後、部隊は一時的に日本国内へ戻り、佐世保での上陸訓練を経て、昭和16年（1941年）11月には海南島に集結します。そして、同年12月8日の太平洋戦争開戦と同時に、タイ領のバタニに上陸し、マレー攻略戦に参加しました。続くシンガポール攻略戦においても、第5師団の中核部隊として重要な役割を果たし、攻略に大きく貢献しました。

シンガポール陥落後は、マレー半島の警備任務に従事しました。そして、終戦を迎える昭和20年（1945年）には、アルー諸島に集結している最中に日本の敗戦を知り、その地で戦争の終結を迎えました。

歩兵第42連隊は、日清戦争後の編成から太平洋戦争の終結に至るまで、激動の時代において多様な戦線で重要な役割を担った部隊でした。

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