歩兵第9連隊

歩兵第9連隊の歴史

歩兵第9連隊は、大日本帝国陸軍の連隊の一つで、その歴史は明治初期に遡ります。1874年（明治7年）5月、第5大隊を基幹として改編され、同年12月18日に軍旗を拝受しました。この連隊は、日清戦争、日露戦争、シベリア出兵、日中戦争、そして太平洋戦争と、数々の戦役に参加しました。

初期の活動と日清戦争

1877年（明治10年）には西南戦争に従軍し、初期の戦闘経験を積みました。1895年（明治28年）には日清戦争に参加しましたが、大連に到着した時にはすでに講和談判が進んでおり、実戦には参加しませんでした。しかし、講和成立後も遼東半島に留まり、守備任務にあたった後、年末に帰還しました。

台湾での活動と日露戦争

1896年（明治29年）には台湾での「賊徒」討伐作戦に加わり、台北市での守備警戒を担当しました。その後、数回に分けて帰還しました。1904年（明治37年）には日露戦争に従軍し、再び戦場に赴きました。

シベリア出兵と宇垣軍縮

1919年（大正8年）にはシベリア出兵に参加し、満州の警備を担当しました。1921年（大正10年）に帰還した後、1925年（大正14年）の宇垣軍縮に伴い、京都に移駐し、第4師団から第16師団に所属が変更されました。

日中戦争と太平洋戦争

1937年（昭和12年）9月14日、日中戦争が勃発すると、塘沽に上陸し、順徳を占領しました。その後、南京攻略戦に参加し、華北へと転戦しました。1939年（昭和14年）8月には一旦帰還しましたが、1941年（昭和16年）12月22日にはルソン島リンガエン湾に上陸し、太平洋戦争に突入します。

第一次・第二次バターン半島攻略戦、コレヒドール島攻略戦に参加し、激戦を経験しました。1942年（昭和17年）にはカマリネス・スル州ナガに移動し、南部ルソン島とビサヤ諸島の守備につきました。1944年（昭和19年）にはサマール島に移動し、7月19日にはレイテ島に進出しました。

レイテ島の戦いと終戦

10月27日、ロビ山脈に後退した後、12月6日には和号作戦でブラウエン飛行場の奪回を試みましたが、アメリカ軍の反撃により連隊は壊滅的な打撃を受けました。1945年（昭和20年）8月、終戦を迎えました。

連隊長

歴代の連隊長については、詳細な記録が残っていますが、ここでは割愛します。

参考文献

この連隊に関する詳細な情報は、以下の文献で確認できます。

『歩兵第9連隊史』帝国連隊史刊行会, 大正6年（1917年）8月。
『日本陸軍連隊総覧 歩兵編(別冊歴史読本)』（新人物往来社、1990年）
原 剛『明治期国土防衛史』（錦正社、2002年）
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

大日本帝国陸軍連隊一覧
歩兵第8連隊 - 「またも負けたか8連隊、それでは勲章9連隊」という俗謡で知られるが、実際の9連隊はフィリピン戦で玉砕するまで負け戦を経験しておらず、これは事実無根の名誉毀損である。
* 京都教育大学 - 連隊の跡地に設立された大学。なお、京都教育大学附属高等学校は輜重第十六連隊の跡地にあります。

この歩兵第9連隊は、日本の軍事史において重要な役割を果たした連隊の一つであり、その歴史は多くの人々に知られています。

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