殿内義雄

殿内義雄（とのうち よしお）

殿内義雄は、天保元年（1830年）に上総国武射郡森村に生まれた江戸時代中期の武士であり、浪士組の一員として知られています。彼は、土屋忠右衛門の子供であり、土屋家は地域の名主を務めていました。

生い立ち

自身の学問に熱心であった殿内は、江戸にある昌平坂学問所で学び、学問や剣術の技に秀でた人物として成長しました。特に、剣術の腕前は非常に高く、屈強な体格を活かして数々の演武を行ったと伝えられています。

その後、殿内は下総国結城藩の藩士として仕官し、武士としての道を歩むことになります。彼の武士としての生活は、厳しい状況の中で成長していくものでした。

浪士組・壬生浪士組

文久3年（1863年）、清河八郎が提唱した浪士組に参加した殿内は、目付役という役職を与えられました。しかし、何らかの理由で降格し、上洛した際にはその計画が頓挫することとなります。清河は浪士組を引き連れて江戸に戻り、攘夷を進める方針をとりました。この動きには多くの者が賛同し、殿内は現在の京都市を拠点とする壬生浪士組を結成する責任者となりました。

壬生浪士組には、芹沢鴨や新見錦、平山五郎、さらには試衛館道場の近藤勇、土方歳三、沖田総司など、名だたる剣士たちが集まり、彼らの活動は後に新選組として知られることとなります。殿内と家里次郎は、募集を行う立場として存在していましたが、彼らは名簿に記載されていないために、派閥を形成することはありませんでした。

最期

禁忌とも言える近藤勇との確執が深まった殿内ですが、彼は近藤に憎まれていたとされます。その結果、彼が派閥を形成しようと旅立とうとした際、近藤を含む仲間たちから酒を強要されてしまいます。最終的には、京都の四条大橋にて彼は襲撃され、命を落としました。この事件は殿内の斬殺をもたらし、浪士組内での初の粛清となったと広く認識されています。

彼は享年34歳であり、旅の姿で刀を袋にしまった状態で見つかりました。殿内の死因については諸説あり、彼自身の人間性や近藤の野心が関与したとも言われています。歴史には殿内が倒れた情景が描かれており、彼の生涯は多くの人々に語り継がれています。

このように、殿内義雄は乱世の中で奮闘した一武士であり、その運命を辿った生涯は幕末の激動を象徴するものでした。

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