毛利匡邦

毛利匡邦（もうり まさくに）

毛利匡邦は、江戸時代中期に生まれた長門国清末藩の第4代藩主です。宝暦11年（1761年）に3代藩主・毛利政苗の七男として江戸で誕生しました。

生涯

匡邦は、兄たちが相次いで早世したため、宝暦13年（1763年）に世子となります。安永4年（1775年）には父の隠居により家督を継ぎ、藩主となりました。同年12月には従五位下・讃岐守に叙任されています。

藩主として匡邦は、藩政改革に積極的に取り組みました。天明7年（1787年）には藩校である育英館を創設し、教育の振興に力を注ぎました。また、民政の改善や人材の登用など、多岐にわたる改革を推進しました。しかし、これらの改革は思わぬ結果を招きます。積極的な政策が藩の財政を圧迫し、財政状況は悪化の一途を辿ったのです。そして、この財政悪化を背景に、匡邦は改革に反対する家臣たちとの対立を深めていきました。

文化15年（1818年）には、長男の匡民が早世するという不幸に見舞われます。失意の中、匡邦は養子の政明に家督を譲り隠居しました。ところが、その政明も間もなく死去してしまいます。そこで、政明の養子であった元世を婿養子として迎え、後を継がせることとなりました。

天保3年（1832年）10月7日、毛利匡邦は江戸で生涯を閉じました。享年72歳でした。

系譜

父：毛利政苗（1718-1781）
母：妙心院 - 平井氏
正室：長子 - 毛利重就の娘
継室：慈明院（?-1796） - 吉田良倶の娘
長女：某（?-1796）
継々室：寂照院（1777-1835） - 日野資矩の養女
長男：毛利匡民（1800-1817）
側室：木村氏
次女：章子（1803-1854） - 毛利元義養女、毛利元世正室
三女：光子（1806-1821）
次男：毛利時亮（1809-1816）
三男：予三郎（1815-1817）
* 養子：毛利政明（1790-1818） - 増山正賢の次男

毛利匡邦は、藩政改革に尽力したものの、その政策が財政難を招き、晩年は家督問題にも関わるなど、波乱に満ちた生涯を送りました。しかし、藩校の創設など、文化の振興にも貢献したことは特筆に値します。

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