毛利政明

毛利政明（もうり まさあき）は、江戸時代後期、長門国清末藩の第5代藩主として知られています。

寛政元年（1789年）12月1日、彼は伊勢長島藩主・増山正賢の次男として、江戸の地で生を受けました。幼名は増山正朝（まさとも）と名付けられました。文化14年（1817年）10月9日、毛利匡邦の養子となり、毛利家へと入ります。この養子縁組は、第4代藩主であった匡邦の長男・匡民が早世したことが背景にあります。政明の父である正賢が匡邦の従兄（政明自身は第2代藩主・毛利匡広の曾孫にあたります）であったことから、白羽の矢が立ったのです。

文化15年（1818年）2月15日、政明は将軍徳川家斉に御目見えを果たし、同年3月4日には、養父である匡邦の隠居に伴い、家督を継承し、清末藩の第5代藩主となりました。しかし、藩主就任からわずか20日後の同年3月26日（異説として6月24日）、30歳という若さで急逝しました。

後継者として、末期養子の毛利元世が跡を継ぎました。元世は、もとは近江堅田藩主・堀田正敦の六男であり、政明の死後、急遽、養子として迎えられたのです。

政明の突然の死は、様々な憶測を呼びました。家督を継いで間もない時期の死であったため、自殺説や、増山家からの養子である政明の家督相続に反対する家臣団による毒殺説などが囁かれました。真相は定かではありませんが、彼の死は清末藩にとって大きな衝撃であったことは間違いありません。

系譜
父：増山正賢（1754年 - 1819年）
母：不詳
養父：毛利匡邦（1761年 - 1832年）
正室：なし
* 養子：毛利元世（1796年 - 1845年） - 堀田正敦の六男

毛利政明は、藩主としての在位期間はごくわずかでしたが、その短い生涯は、養子縁組、突然の死といった出来事に彩られ、歴史に名を残しています。彼の死の真相は今も謎に包まれていますが、その存在は清末藩の歴史において重要な位置を占めています。

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