毛利広定

毛利広定

毛利広定（もうり ひろさだ）は、江戸時代中期に活躍した長州藩の家老であり、右田毛利家の7代目当主です。

生涯

享保4年（1719年）7月、広定は長府藩主（当時は清末藩主）であった毛利匡広の三男として誕生しました。母は側室の飯田氏です。享保18年（1733年）に右田毛利家の当主であった毛利広信が急死したため、その跡を継ぎました。

寛保2年（1742年）には、長州藩が幕府から利根川の手伝い普請を命じられ、広定が総奉行としてその指揮を執りました。また、延享4年（1747年）と宝暦2年（1752年）には、江泊において干拓事業（改作）を実施し、新田開発に貢献しました。

宝暦元年（1751年）には、広定の同母弟である毛利匡敬（後の毛利重就）が長州藩主に就任したため、広定は兄として重就に仕えることとなりました。

宝暦3年（1753年）、重就は広定を当職（国家老・執政）に任命しました。支藩から養子として長州藩主となった重就は、宗家の一門家老たちと対立することが多かったため、広定は重就を補佐し、藩政の安定に尽力しました。宝暦4年（1754年）には、財政再建の責任を果たせないとして一旦辞職しますが、同年中に加判役（家老）として復帰しています。この辞任は、同年、重就に批判的であった一門家老の阿川毛利広漢が処罰されたことに対する藩内の批判を考慮したものでした。

宝暦8年（1758年）には、藩債の増加による藩財政の悪化を受けて再び当職に復帰し、財政再建に取り組みました。宝暦11年（1761年）には、宝暦検地を実施し、その結果得られた増収を藩の財政に組み入れず、新たに撫育方を設けてその収入とし、開作や殖産興業の資金としました。

明和6年（1769年）8月26日、広定は51歳でこの世を去りました。

人物

広定は、藩主である毛利重就を支え、長州藩の財政再建や新田開発に尽力した人物として知られています。また、支藩出身の藩主を補佐し、藩内の融和を図ったことでも評価されています。

参考文献

石川卓美著「防長歴史用語辞典」
小川國治著「毛利重就」

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