毛利時親

毛利時親（もうり ときちか）は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将であり、安芸毛利氏の当主です。大江広元の曾孫にあたり、毛利経光の四男として生まれました。後に戦国時代に中国地方で勢力を拡大する安芸毛利氏の祖として、その名を知られています。

生涯

文永7年（1270年）、父である毛利経光から越後佐橋荘南条と安芸吉田荘の地頭職を譲り受けました。鎌倉幕府においては六波羅評定衆を務め、京都の河内にも邸宅を構えていました。北条時宗から偏諱を受けたとみられていますが、この時期の詳しい活動は明らかになっていません。

元徳2年（1330年）には、安芸吉田荘の地頭職を孫の親衡に譲りました。元弘3年/正慶2年（1333年）に鎌倉幕府が滅亡すると隠居しましたが、その後、南北朝の争乱が勃発します。子の貞親と孫の親衡は南朝方についたため、越後の毛利領を拠点に活動した結果、時親は安芸の地頭職を取り上げられ、苦境に立たされることになります。

しかし、時親は曾孫の元春（師親）を北朝方の足利尊氏に味方させ、自らは建武3年（1336年）に安芸吉田荘に下向しました。そして、貞親と親衡を説得し、北朝方への帰順を取りなしました。これにより、一族は共に安芸に下向し、安芸における毛利氏の勢力を維持することに成功しました。

建武4年（1337年）には、曾孫の元春に安芸吉田荘を譲渡し、暦応4年（1341年）に死去しました。

永和2年（1376年）、毛利元春が足利義満に対して本領安堵を申し出た書状には、建武3年（1336年）7月に時親から譲与されたと記されており、義満と今川貞世から署判を得ています。

毛利時親は、激動の時代において、一族の存続のために奔走しました。その政治的な手腕と決断が、後の安芸毛利氏の繁栄につながったと言えるでしょう。

吉田郡山城の築城者という説があります。
若き日の楠木正成に兵法（闘戦経）を教えたという伝承があります。

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