氏爵

氏爵（うじのしゃく）についての詳細

氏爵とは、特定の貴族たちに対して贈られる位階制度を指します。この制度は朝廷で施行され、氏の長者やその代理者が候補者を推挙し、従五位下の位階に叙せられることを意味します。この習慣は平安時代から毎年1月6日に行われ、特に王氏、源氏、藤原氏、橘氏などから、各氏の長者が推挙した者が対象となりました。

制度の歴史と背景

氏爵制度は、平安時代に始まったと考えられており、貴族にとっての重要な特権でした。従五位下以上の位階は「通貴」とされ、従五位下は貴族階級への第一歩を指しました。各氏の正六位上の者は複数存在し、新たに官途を得たいと考える者は、氏の長者に対し申請書を提出。この中から適任者が選ばれました。また、氏爵を受けることを「叙爵」と呼び、この制度を持つことは各氏にとって恒例の人事とされました。

氏爵制度には「是定」と呼ばれる権能があり、候補者の選定を長者が行いました。また、天皇の即位や大嘗会、朔旦冬至の際にも氏爵は実施されましたが、有力ではない氏族に関しては、これらの特別な行事に限って行われました。

各氏の氏爵の詳細

王氏

王氏は皇族の一部であり、最初は皇玄孫までを範囲としていました。しかし、時が経つにつれ、推挙権は第一親王に戻されることとなります。平安中期には白川伯王家が王氏長者としてこの職務を担い、「是定」として知られることが多くなりました。

源氏

源氏の氏爵は源氏長者が担当し、最初は弘仁御後の血筋から選出されましたが、やがて村上源氏が力を握ることになりました。また、足利義満が武家として初めて源氏長者の地位を手に入れた例もあります。

藤原氏

藤原氏は時代とともに形式が変化し、藤氏長者が官位の高い者から選ばれるようになりました。特に藤原道長以降、地位の譲渡が行われ、三家の中でも北家が覇権を握るようになりました。

橘氏

橘氏は、永観元年に公卿が絶えた後、長者を管理する者の役割と氏爵の推挙が分かれていきました。様々な氏族が関与し、平安末期には九条家が氏爵の地位を保つようになりました。

伴氏・佐伯氏・和気氏・百済王氏

これらの氏族も氏爵の対象となり、時には即位の際に従五位下の位を授かることが記録されています。特に、百済王氏については堀河[[天皇]]即位時に推挙された記録も残されています。このように、氏爵制度は多くの氏族に関連し、その影響は平安時代から戦国時代にかけて長く続きました。

まとめ

氏爵は、平安時代の貴族制度において重要な役割を果たしました。この制度により氏族は長者の下に集い、権威を保つことができたのです。氏爵制度は、その後の日本の政治・社会構造にも影響を与える要素となりました。

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