水戸東武館

一般財団法人水戸東武館

一般財団法人水戸東武館（みととうぶかん）は、茨城県水戸市で剣道や居合道、なぎなた、さらに北辰一刀流剣術や新田宮流抜刀術を修練する道場を運営している機関です。この団体は、武道の伝統文化を継承し、発展させるために多様な活動を行っています。全日本剣道連盟や日本古武道協会に加盟しており、幅広いネットワークを持つことがさらに特徴的です。

概要

水戸東武館は1874年1月1日、小澤寅吉によって設立されました。彼は当時、水戸藩の弘道館で剣術を教えていました。彼の門下生の中には、内藤高治、門奈正、佐々木正宜、高野茂義など、近代剣道の名士が多く名を残しています。しかし、太平洋戦争による水戸空襲で道場は焼失し、1953年に再建されました。この道場の建物は水戸市の有形文化財に指定され、ここで教授されている北辰一刀流剣術と新田宮流抜刀術は水戸市の無形文化財として評価されています。

また、水戸東武館は文部科学省や茨城県、全日本剣道連盟などの後援を受け、毎年開催している全国選抜少年剣道錬成大会は、民間の剣道場としては非常に大規模なイベントです。さらに、道場名に含まれる「東武」は、東武鉄道やその関連企業とは一切の関係がなく、設立が先行しています。

歴史

水戸東武館の歴史は1874年に遡ります。設立当時の道場名は「東武館」であり、1885年には茨城県警察本署に剣術指導のために下江秀太郎が就任し、1887年まで道場で指導を行いました。1911年には、東武館の出身者が大日本武徳会の剣道形制定委員に選ばれ、1925年には衆議院議員の石井三郎の設立した武道場が「皇道義会東武館」と名付けられました。

1928年には、大演習において館長と選手が指定選士として出場するなど、道場の名声が高まりました。しかし、1945年の水戸空襲で道場は焼失しました。この困難を経て、1953年に小澤武が館長として道場を再建し、1954年には財団法人となりました。

その後も、1955年には東日本少年剣道大会が開催されるなど、活動を拡大しました。2006年には武道優良団体としての表彰を受け、2013年には北辰一刀流剣術が水戸市の無形文化財に指定されました。さらに、同年11月に道場の建物も有形文化財に認定され、伝統の継承が評価されています。2015年には施設移転による工事が行われました。

歴代館長

• - 小澤寅吉
• - 小澤一郎
• - 小澤豊吉
• - 小澤武
• - 小澤喜代子
• - 宮本忠彦
• - 小澤智

参考資料と関連項目

本記事に関連する資料として、『剣道百年』や『月刊剣道日本』が挙げられます。他にも関連する武道の道場として、玄武館や弘道館、皇道義会があります。水戸東武館は、古武道を学ぶための重要な拠点として今後も役立ち続けるでしょう。

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