高野茂義

高野 茂義 (たかの しげよし)

高野茂義は1877年1月2日に茨城県水戸で生まれ、1957年3月31日に亡くなった日本の著名な剣道家です。彼は中西派一刀流に属し、大日本武徳会の剣道範士の称号を持っていました。旧姓は千種です。彼の剣道に対する執念とその影響を受けた経歴について、以下に詳述します。

幼少期と剣道との出会い

茂義は旧水戸藩の千種甲午郎茂春の次男として誕生しました。幼少期には、内藤高治の親戚として、後に横綱となる常陸山谷右エ門と同じ小学校に通っていました。彼は非常に力強い少年であり、相撲部屋への入門を勧められることもあったと言いますが、母親の影響もあって剣の道を選びました。

14歳の時、父を亡くした茂義は、旧弘道館剣術方教授である小澤寅吉の道場「東武館」に入門し、剣術の修行を始めました。1895年には高野佐三郎の道場「浦和明信館」に移り、中西派一刀流の技術を磨いていきました。そして1900年には佐三郎の養子となり、剣道一筋の人生が始まります。

剣道師範としての活動

1914年、茂義は南満州鉄道株式会社からの招聘を受け、終戦まで同社の剣道師範を務めました。この時期、彼は剣道の技術だけでなく、教育者としての役割も担い、多くの弟子を育てました。彼の教育は、剣道の技術向上に寄与し、多くの弟子たちが後にその名を知られる存在となりました。

競技者としての栄光

1929年、茂義は御大礼記念天覧武道大会の指定選士の部に出場し、初日に足を負傷しながらも、大会に出場しました。翌日には持ち前の強い精神力で決勝まで勝ち上がりましたが、持田盛二に敗れ、準優勝となりました。この試合の立会人は養父の高野佐三郎であり、特別な意味を持つ試合となりました。

1934年には、皇太子殿下御誕生奉祝天覧武道大会に出場し、中山博道との試合を披露しました。これにより、未だに残る彼の技術と精神力は、多くの剣道愛好者に影響を与え続けています。

終戦後の生活と家族

太平洋戦争終戦後、茂義は満州から帰国し、故郷の水戸で余生を送りました。しかし、彼の家族にとっては苦難の時期でもありました。彼の長男である慶寿は40歳でチフスにより早逝しましたが、二男の孫二郎は東京高等師範学校で剣道と陸上競技の選手として活躍し、その後教職につき剣道範士に昇進しました。

称号と著作

茂義は1908年に大日本武徳会の剣道教士として認定され、1922年には剣道範士の称号を得ました。また、彼は1956年に『剣道一路』という著書を発表し、剣道の道を歩む上での考えや姿勢を記しています。

高野茂義の人生は、剣道を通じて多くの人々に影響を与え、現代においてもその名は語り継がれています。彼の業績と精神は、日本の武道の重要な一部として今なお輝いています。

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