水殿ダム

水殿ダムの概略

水殿ダム（みどのダム）は、長野県松本市にあるダムで、信濃川水系の犀川上流部に建設されています。このダムは、東京電力リニューアブルパワーによって管理されており、高さは95.5メートルのアーチ式コンクリートダムとして設計されています。水殿ダムは、梓川沿いにある奈川渡ダムと稲核ダムの近くに位置し、これらのダムと共に「安曇3ダム」または「梓川3ダム」と呼ばれています。

歴史

水殿ダムは、東京電力による梓川電源開発計画に基づいて、1965年（昭和40年）から奈川渡ダムおよび稲核ダムと同時に建設が進められました。このダムは、梓川とその支流である水殿川の合流点に位置し、発電機の設置や洪水管理において重要な役割を果たしています。ダム湖は水殿調整池として利用され、奈川渡ダムの直下に位置する安曇発電所の下池および水殿発電所の上池として機能します。

水殿ダムの発電所は、認可出力245,000キロワットを誇り、揚水[[発電]]を行っています。これは、上池が水殿ダム、下池が下流の稲核ダム湖であるため、特異な運用例と言えます。このように一基のダムが複数の揚水[[発電]]に関与するケースは希少で、際立った特徴となっています。

ダムの建設は着々と進み、1969年には水殿発電所1・2号機が運用を開始し、1970年には残る3・4号機も稼働を開始しました。建設過程では、不幸にも合計8名の死傷者が出ており、そのうち5名は殉職した悲しい記録もあります。

周辺環境とアクセス

水殿ダムの周辺には、国道158号沿いに位置する道の駅「風穴の里」があり、そこからダムの天端へと続く道があります。また、アルピコ交通上高地線の新島々駅からバスを利用すると、「水殿ダム」バス停で下車できます。右岸には水殿ダム管理所や、訪問者用の公園「ふれあいダム広場」が設けられています。

ダムの天端には歩道が整備されており、左岸側では渓流釣りが楽しめるスポットが点在しています。特に水殿川沿いでは、イワナを目指した釣り愛好者にとって魅力的な場所となっています。国道158号は、風穴の里を過ぎると、水殿発電所へとつながる道が分岐しています。この発電所への進入は、スキージャンプ式洪水吐きまで行うことが可能ですが、さらに先への立ち入りは規制されています。

これにより、水殿ダムは自然環境と調和した魅力ある観光地として訪問者に知られています。ダムの背後に広がる美しい自然とその機能は、多くの人々に感銘を与えています。

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