水納島 (沖縄県多良間村)

水納島（みんなじま）

水納島は、沖縄県宮古郡多良間村に属し、宮古列島に位置する小さな島です。北には多良間島から8kmの距離があります。この島の面積は2.15平方キロメートルで、主に隆起したサンゴ礁から成り立っており、全体的に平坦な地形をしています。

地理的特徴

島は大きな環礁に囲まれていて、特に西側には遠浅の環礁が広がり、アオウミガメが多く生息しています。2008年の夏には、コビレゴンドウと考えられる小型のクジラが約40頭、島の東側の環礁で迷い込んでしまい、20頭以上が座礁して死亡しました。このような自然現象が見られる中、かつては約200人の住民が主に漁業に従事していましたが、台風の被害や水不足から1961年には多くの世帯が宮古島に移住し、人口が大きく減少しました。

現在の状況

2021年には、島の人口は1世帯あたり3人まで減少しています。同年5月には、住民と観光協会の職員が集まって意見交換会が開かれ、水納島の振興策について話し合われました。この会合では、観光への取り組みや課題が議論され、観光協会からは観光需要が一定数あるとの声があがりましたが、住民からは「最大5人程度の受け入れは可能だが、多くの人を受け入れるのは難しい」という意見が述べられました。また、観光は天候によって影響を受けやすいため、長期滞在の方が受け入れやすいとされています。

意見交換会では、私有地への無断侵入やキャンプを行う訪問者への対策が求められました。

さらに、島の通信環境に問題があり、携帯電話が通じないため、緊急時の連絡手段を確立する必要性が指摘されました。案内看板や遊泳場所の指定、立ち入り禁止エリアの設定なども今後の課題として認識されています。

灯台と宿泊施設

南東部には宮古水納島灯台があり、1972年に初めて点灯しました。この灯台は海抜21メートルの高さを持ち、光の届く範囲は約12海里です。灯台近くにはヘリポートも設置されており、緊急時に利用されています。宿泊施設としてはコテージが2棟あり、キャンプも可能ですが、島内には商店がないため、食料などは事前に準備しておく必要があります。

島名の由来

水納島という名前は「水のない島」を意味していると言われています。

歴史的背景

水納島の歴史は長く、1734年には流刑者がこの島に送られ、1771年には八重山地震の津波によって壊滅的な被害を受けました。1900年には分教場が設置され、1961年には住民の多くが宮古島へ移住することとなり、1978年には分校が廃校となっています。1989年には海底送電が開始され、沖縄県全島の電化が完了しました。

伝承と文化

地域には独自の伝承もあり、旧暦8月に行われる「まっつうんなふか」という行事では、竜宮から神が島に訪れ、島民に幸運をもたらすと信じられています。昔は船や家も流木や難破船の資材で作られており、それらは悪霊払いの儀式を経て使用されていました。島民は難破を避けるため、神に遭難を祈っていたという話も伝わっています。

交通手段

水納島への定期航路は存在せず、多良間島からのチャーター船のみが利用可能です。所要時間は約20分で、予約が必要です。また、緊急時にはヘリポートが利用されることもあります。

水納島はその美しい自然環境と独特の文化を持つ、訪れる人々にとって魅力的な小島です。今後、観光振興や地域の振興策が進む中で、その存在感を広げていくことが期待されています。

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