水野忠照

水野忠照（みずの ただてる）

水野忠照は、元禄9年（1696年）に生まれ、寛保3年11月16日（1743年12月31日）に没した江戸時代の旗本です。信濃国松本藩の3代藩主である水野忠直の四男として生まれ、4代藩主水野忠周の弟にあたります。通称は宮内といい、子に忠卿、忠隣がいます。

生涯

正徳3年（1713年）1月28日、忠照は将軍徳川家継に拝謁し、同年6月22日には兄である忠周から蔵米2000俵を分知され、寄合に列することになります。この分知によって、忠照は旗本としての地位を確立しました。

享保10年（1725年）7月28日、忠照の甥にあたる松本藩主水野忠恒が、長府藩の世子（後の7代藩主）毛利師就に対して刃傷沙汰を起こし、これにより忠恒は改易となってしまいます。この事件は水野家にとって大きな危機でしたが、家名存続を願う声が強く、分家である若年寄水野忠定の尽力により、忠照は幕府から信濃佐久郡に2000石の替地（根々井知行所）を与えられました。これにより、水野家は旗本として存続することができ、明治維新までその家系を繋ぐこととなります。

忠照は日本橋浜町に屋敷を構えたため、この家系は「浜町水野家」と呼ばれるようになりました。この浜町水野家は、水野家の一つの重要な分家として、その歴史を刻んでいくことになります。

寛保3年（1743年）、忠照は江戸で亡くなり、享年48歳でした。彼の遺体は小石川伝通院に葬られ、法名は全照とされました。

水野忠照の人物像

水野忠照は、兄からの分知によって旗本となり、その後、甥の不祥事によって家が危機に陥った際にも、その存続のために重要な役割を果たしました。彼の尽力と周囲の支援によって、水野家は旗本として存続し、浜町水野家という新たな家系を築くことができました。このことから、忠照は非常に責任感が強く、困難な状況でも諦めずに努力する人物であったと考えられます。

参考文献

「寛政重修諸家譜 巻第331」
沼津市立駿河図書館編「御代々略記 沼津藩水野家年代記」

関連項目

* 水野氏

まとめ

水野忠照は、江戸時代の旗本として、その生涯を通じて水野家の存続に貢献しました。兄からの分知、甥の刃傷沙汰による改易、そしてその後の家名存続への努力は、彼の責任感と行動力を示すものです。浜町水野家を興し、その家系を明治維新まで繋いだことは、彼の功績として特筆すべきでしょう。

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