永井洋

永井 洋（ながい よう）は、1949年に生まれた日本のシンガーソングライターです。彼の音楽活動は多岐にわたり、数々の著名なバンドやユニットへの参加、そしてソロ活動を通じて、日本のフォークおよびロックシーンにおいて重要な足跡を残しています。

ザ・ディラン、そしてザ・ディランIIでの活動

永井のキャリアは1970年に始まります。この年、彼は西岡恭蔵や大塚まさじといった仲間たちと共に、フォークグループ「ザ・ディラン」を結成しました。ここではリードギターとサイドボーカルを担当し、グループのサウンドを支えました。翌1971年には、大塚まさじと共に「ザ・ディランII」を結成し、活動を継続します。同年暮れには、URCレコードからファーストアルバム「昨日の想い出に別れをつげるんだもの」を発表。これは彼らの代表作の一つとなりました。ザ・ディランIIとしての活動中、永井は自身の演奏活動だけでなく、音楽プロデューサーとしても才能を発揮します。古川豪のファーストアルバムのプロデュースを手がけたほか、1974年には三上寛のアルバム「BANG!」（URC）において、ジャズピアニストである山下洋輔との共演も実現させています。しかし、1974年12月をもって、ザ・ディランIIはその活動に終止符を打ちました。

新たな展開：五つの赤い風船'75から1928B.B.へ

ザ・ディランII解散後も、永井の音楽への情熱は衰えませんでした。1975年には、西岡たかし、中川イサト、金森幸介という名だたるミュージシャンたちと新たなユニット「五つの赤い風船'75」を結成します。このグループはアルバム1枚、シングル1枚をリリースし、全国ツアーも敢行するなど精力的に活動しましたが、翌1976年には解散となります。さらに1977年には「1928B.B.」を結成。同年の春一番コンサートに出演し、演奏した楽曲「雨」は、そのライブ盤に収録されるなど、その存在感を示しました。

活動の中断と復活

1979年以降、永井は音楽活動から一時的に距離を置きます。この活動休止期間は1996年まで、実に17年間に及びました。しかし、音楽への思いが再び彼をステージへと呼び戻します。1998年には、CD「クロちゃんを歌う」にザ・ディランII名義で参加。そして2001年からは、かつて演奏を披露した縁のある春一番コンサートに再び出演するようになり、ライブ活動を本格的に再開させました。

ソロ活動、そして三つの赤いふんどし

活動再開後の2003年からは、ソロでのライブ活動を開始します。この頃、「永井洋」という名前が「ながいひろし」と読まれやすいことから、ソロ名義としては「永井よう」や「ながいよう」という表記を用いるようになりました。彼の音楽キャリアはソロ活動に留まらず、2007年には平光成、杉本Q仁美と共に「三つの赤いふんどし」を結成。新たなユニットとしても精力的に活動を展開し、2009年7月にはこのユニット名義でのCD「ながいよう/三つの赤いふんどし」を発表しました。

永井洋は、ザ・ディラン、ザ・ディランIIといった伝説的なグループのメンバーとして、また五つの赤い風船'75や1928B.B.、三つの赤いふんどしといった多彩なユニットでの活動、さらにはソロアーティストとしても、日本の音楽シーンにおいて個性的なキャリアを築き上げています。長年の活動休止期間を経てもなお、現在もライブを中心に活動を続けており、その音楽は多くのファンに愛されています。

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