永峰弥吉

永峰弥吉について

永峰弥吉（ながみね やきち）は、1840年に生まれ、1894年に亡くなった幕末から明治にかけての人物です。旧姓は高橋、幼名は良三郎、号は舟所と称しました。彼は幕臣、そして明治期には内務官僚、官選県知事として活躍しました。

生い立ちと幕末の動乱

永峰弥吉は、駿河国駿府で幕府代官属吏の高橋古太夫の三男として生まれました。その後、幕臣の永峰家の養子となります。戊辰戦争では旧幕府軍に加わり、箱館政権では会計奉行の下で組頭を務め、兵糧や銃器の調達を担当しました。箱館政権崩壊後は、謹慎処分を受けましたが、後に静岡藩に復籍しました。その後、人見寧らと共に集学所の設立に尽力しました。

明治期の官僚としての活躍

廃藩置県後、永峰弥吉は静岡県に出仕し、権大属、二等属、一等属、少書記官、大書記官と順調に昇進しました。1885年には内務省に転じ、内務少書記官に就任。その後、大阪府書記官、福島県書記官を歴任し、官僚としてのキャリアを積みました。

県知事としての活動と選挙干渉事件

1891年4月9日、永峰弥吉は第1次山縣内閣により宮崎県知事に任命されました。しかし、第2回衆議院議員総選挙において選挙干渉を行ったことが問題視されました。1892年8月20日には佐賀県知事に転任。佐賀県では第5回県会議員選挙で選挙干渉は行わなかったものの、病のため在任中に亡くなりました。

栄典と親族

永峰弥吉は、1891年（明治24年）に従四位、1892年（明治25年）には勲四等瑞宝章を授与されています。彼の兄は根津勢吉であり、いとこには川路聖謨がいます。また、孫には原田國男がいます。

まとめ

永峰弥吉は、幕末の動乱期から明治にかけて、激動の時代を駆け抜けた人物です。幕臣として戊辰戦争を戦い、箱館政権では物資調達を担当、その後は官僚として地方行政に携わりました。県知事としては選挙干渉という問題を起こしましたが、その功績と生涯は、日本の近代史において重要な位置を占めています。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
大植四郎編『明治過去帳』新訂初版、東京美術、1971年（原著私家版1935年）。
安岡昭男編『幕末維新大人名事典』下巻、新人物往来社、2010年。
* 大岡力『地方長官人物評』長島為一郎、1892年。

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