永昌庵

永昌庵

新潟県南魚沼市に所在する永昌庵は、曹洞宗に属する格式ある寺院です。山号を三峰山と称し、応仁2年（1468年）に長尾氏によって創建された、地域における歴史深い寺院の一つです。

歴史と文化財

永昌庵は、室町時代後期の応仁2年（1468年）に、この地域の有力な武家であった長尾氏を開基として創建されました。戦国時代を経て江戸時代に入り、坂戸城主としてこの地を治めた堀直寄（ほり なおより）は、永昌庵に深く帰依し、寺院の保護に努めました。堀直寄は、寺領である手作地（てづくりち）10石分と、寺院の門前にある2軒に対する年貢・諸役といった課税を免除することを認める内容の文書を発行し、寺院の安定した運営を支援しました。この堀直寄からの免税を記した文書は、当時の寺院と領主の関係や地域の歴史を知る上で貴重な史料であり、現在、南魚沼市の指定文化財として大切に保存されています。

境内と周辺環境

広々とした境内には、近年整備された永代供養墓「三峰霊苑 永安廟」があり、多様な供養のニーズに応えています。また、永昌庵は地域のシンボル的存在である坂戸山への登山ルートのすぐ近くに位置しています。特に「寺が鼻コース」と呼ばれるトレッキングコースの起点の一つともなっており、登山に訪れる人々にとっても親しみやすい場所にあります。

寺院の周辺は自然豊かな環境に恵まれています。霊峰として知られる坂戸山や金城山、そして清らかな流れを見せる魚野川が近くにあり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。また、泉質の良いことで知られる六日町温泉郷もほど近くに位置しており、参拝と合わせて周辺観光を楽しむことも可能です。

アクセス

永昌庵へのアクセスは、公共交通機関と自動車のどちらでも比較的容易です。

公共交通

JR上越線および北越急行ほくほく線の六日町駅が最寄り駅となります。駅から徒歩の場合、東へ約25分ほどで寺院に到着します。
バスを利用する場合は、六日町駅前から南越後観光バスの「MS 沢口・清水」行きのバスに乗車し、約5分。「泉田入口」バス停で下車後、徒歩約15分です。

自動車

* 関越自動車道の六日町インターチェンジ（IC）を利用する場合、ICから国道17号を経由し、約10分で寺院に到着します。

歴史ある建物と豊かな自然に囲まれた永昌庵は、静かで落ち着いた雰囲気の中で参拝や散策ができる場所として、地域の人々はもちろん、遠方からも訪れる人々に安らぎを与えています。

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