永照寺 (北九州市)

永照寺の紹介

福岡県北九州市小倉北区にある永照寺（えいしょうじ）は、浄土真宗本願寺派に属する仏教寺院で、その山号は雲龍山です。この寺院の本尊は、阿弥陀如来の立像であり、多くの信者に親しまれています。永照寺は西本願寺初代能化である西吟が住職を務めた場所としても知られています。

歴史的背景

永照寺の歴史は、武将の釈道證によって開基されたことに始まります。彼は、豊前国蓑島の防衛を担っていた村上大炊允道定であり、応仁の乱に従軍中に摂津国川中島の戦闘で負傷しました。その後、溝杭仏照寺にて療養している際に、本願寺第8世の蓮如と出会い、仏教に目覚めて弟子となりました。この出会いが、彼の人生において転機となります。

1495年（明応4年）、釈道證は本願寺第9世実如から本尊を受け取り、九州に戻った後、小倉室町で草庵を構え、これが永照寺の起源とされています。初めての信徒である彼は、その後、その教えを広める役割を果たしました。

諸大名からの尊敬

永照寺は、その後の歴史の中で諸大名からも崇められる存在となりました。特に第3世西蓮の代には、小倉の領主である高橋鑑種の夫妻からの信仰を受け、その名声を高めていきました。続いて、毛利勝信や細川忠興といった著名な武将たちの保護も受けることになります。1608年（慶長13年）には、城の築城に伴い米町へ移転することとなりました。

第6世の住職である西吟は、西本願寺初代能化を務めた学僧であり、仏教の広範な知識を持っていました。彼の教えを受けた小笠原忠真は、細川家の小倉藩主となる人物であり、忠真が西吟に提出した質問書は寺の重要な宝物として保存されています。

小倉御坊としての役割

時代が進み、第14世である西章の代には、永照寺は本願寺の出張所として機能するようになります。この頃には御坊（ごぼう）と呼ばれる存在に成長し、文化年間の1810年頃にはその地位を確立しました。明治5年（1872年）、末寺である寺家が独立し、寺院としての自治がなされるようになります。

さらに1993年（平成5年）には、小倉駅の再開発に伴い、米町から大手町へ移転することとなり、現在に至っています。永照寺はその長い歴史の中で、地域社会に根付いた重要な宗教的拠点としての役割を果たし続けています。仏教信仰のみならず、歴史学や文化研究の中心地としても注目されています。

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