永見氏

永見氏（ながみし/ながみうじ）

永見氏は、日本の歴史に名を残す氏族であり、知立神社の神主を代々継承してきた家系です。この氏族は、創始者である永見毛神から始まり、その要所は平安時代から室町時代を通じて続きました。

出自

永見氏の起源は、白鳳2年（674年）に遡ります。この年、三河国の国造である知波屋見命の15代目の孫、永見貞連が天武天皇の命により知立神社の神主に任命されたことから始まると伝えられています。

系譜

平安時代から室町時代の永見氏

平安時代後期には、永見貞春が13代当主として登場し、保元の乱や平治の乱に参戦しました。その後、室町時代に入ると、20代当主の永見貞俊が在原業平の子孫であり、母方の永見氏に養子として加わったことが知られています。22代当主の永見清貞は饗庭次郎と名乗り、愛知県西尾市吉良町に居を構えました。彼は、三河守護の吉良家に仕える大河内氏の娘と結婚し、応永15年（1408年）には四代将軍足利義持から朱印状を受け、神主領としての地位を安堵されました。

25代当主の永見貞守の弟である永見為房は水野氏に仕官し、数多くの戦功を挙げました。彼は家計郷城主である足助氏を討った記録があります。天文16年（1547年）には、知立神社の社殿が家臣の戸田宣光によって焼失されました。28代当主の永見守重は、天文18年（1549年）に水野氏との関係を深め、田畑を寄進するなど周囲の豪族との結びつきを強化しました。

29代当主の永見貞英は水野氏の娘を妻に迎え、彼の妹2人もそれぞれ水野信近と重原城主に嫁ぐことになりました。彼はまた、弟を松平清康に仕官させ、家康の家系との影響を深めました。しかし、天文23年（1554年）には今川・松平軍の襲撃を受け、永見氏の居城である重原城が落城することとなります。この際、永見氏の娘が自害しており、その悲劇は氏族の運命に暗い影を落としました。

徳川家との関係

永見貞英の子女らは徳川家の松平氏と深い関係を築きました。特に、彼の娘である於古茶は、家康の側室となり、徳川家康の子である結城秀康を授かります。これにより、永見氏は徳川家とより密接な関係を持つようになりました。また、於古茶の兄は、永見氏の30代当主として名を残しました。

越前松平家の庶流

忠直の庶子である永見長頼と永見長良は、母方の姓を取ることで永見を称しました。長頼の子孫はその後、姓を永見に改称し、津山藩家老の家系として存続未だに続いています。明治3年（1870年）には、松平家として復姓することになります。

まとめ

永見氏は、日本の歴史と文化において重要な役割を担ってきた氏族であり、平安から近世にかけての権力闘争や社交に参加し、後に徳川家とも長い関係を築きました。その歴史は、日本の地方の豪族と様々な関係を持ち、地域の発展にも寄与しました。現在もなお、永見氏は日本各地でその名を見つけることができ、歴史研究に興味を持つ人々にとっても魅力的なテーマとなっています。

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