永野茂門

永野茂門の生涯と業績

永野茂門（ながの しげと、1922年6月28日 - 2010年1月4日）は、日本の陸軍軍人、陸上自衛官、そして政治家として活躍した人物です。彼は陸上幕僚長や参議院議員、法務大臣などの重要な役職を歴任しましたが、その政治活動は特に短期間の法務大臣としての在任が注目を浴びています。

幼少期と軍歴の始まり

永野は大分県に生まれました。地元の大分中学校を卒業後、広島陸軍幼年学校に進み、さらに陸軍士官学校へと進学します。1941年に陸軍士官学校を卒業し、陸軍将校としての道を歩み始めました。彼は終戦時に電信第13連隊の中隊長を務めており、当時の階級は陸軍大尉でした。

戦後のキャリア

戦後、永野は陸上自衛隊に入隊し、通信科に所属しながらも、後に陸上幕僚長に就任しました。しかし、1980年には宮永スパイ事件の責任を取り、当時の防衛庁長官と共に辞任しています。彼の経歴からも、彼のキャリアは波乱に満ちていたことが伺えます。

政治家としての活動

1986年、永野は自由民主党から第14回参議院議員通常選挙に出馬しました。名簿順位は22位までが当選する中で、彼は25名中の21位となり、自民党の大勝に伴い当選を果たしました。第2次海部内閣では科学技術政務次官として任命されました。

1992年には第16回参議院議員通常選挙にも当選し、参議院においての影響力をさらに強めます。この選挙後、発生した東京佐川急便事件を機に、彼は自衛官出身の他の政治家たちと共に改革フォーラム21に参加しました。

新生党へと転身

1993年、彼は自民党を離党し、新生党の結党に参加しました。翌年の1994年、細川護煕首相が辞任すると、羽田孜が新首相に就任し、永野は羽田内閣で法務大臣に就任します。彼は法務大臣として、南京事件や慰安婦問題について物議を醸す発言をし、在任わずか11日で辞任することになりました。この辞任は、戦後の大臣在任記録においても非常に短いものでした。

政界引退と晩年

その後、彼は新進党や自由党を経て、1998年の第18回参議院議員通常選挙には出馬せず、政界を引退します。引退後は、勲二等旭日重光章を受章し、国からの功績が認められました。

永野は2010年1月4日に肺炎により川崎市の病院で亡くなりました。享年87歳という年齢での死去となり、没後は正七位から正四位に進階しました。彼の生涯は、日本の軍人として、また政治家としての歴史において重要な一ページを刻んでいます。

著書

• - 『宇宙時代の防衛 : 衛星・通信・情報』原書房、1986年3月25日
• - 『国際貢献と平和の地政学 : 21世紀・日本の進路』インターボイス出版事業部、1992年3月25日

関連項目

• - 将官・佐官出身の国会議員の一覧

永野茂門は、陸軍出身でありながらも政治の舞台へと進出し、その意見や行動が時に議論を呼び起こしました。彼の遺産は、今もなお日本の歴史に影響を与えています。

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