羽田内閣

羽田内閣の概要

羽田内閣（はたないかく）は、羽田孜が第80代内閣総理大臣として1994年4月28日から6月30日までの約64日間続いた日本の内閣です。この内閣は、前内閣である細川内閣が辞職したことを受けて、非自民・非共産の枠組みで政権を継承しましたが、日本社会党の離脱によって少数与党でのスタートとなりました。在任期間は、日本の憲政史上非常に短いもので、憲法下では2番目に短く、明治憲法も含めると4番目にあたる内閣として知られています。

内閣の構成と動静

羽田内閣は1994年4月25日の首班指名投票で羽田孜が選出され、そのまま内閣が発足しました。発足当初、内閣人事には多くの困難があり、特に国務大臣の任命に手間取ることとなりました。この中で、羽田孜が首相に就任したことを受けて組閣が進められましたが、正式に閣僚の認証が行われるまでには多くの時間を要しました。

内閣官房副[[長官]]や内閣法制局長官が同日中に任命されたものの、内閣の初期は混乱に満ちていました。その背景には、社会党の連立離脱により不安定な政権運営が強いられたことが大きく影響しています。また、外務大臣には自民党から離党した柿沢弘治が就任しましたが、法務大臣の永野茂門は「南京大虐殺はでっち上げ」との発言でわずか11日で辞任に追い込まれるなど、内閣の人事にも多くの波乱がありました。

政策と実績

羽田内閣の提唱した政策としては、新年度予算の成立を最重要課題として挙げ、公共料金の凍結を含む規制改革による物価抑制を訴えました。しかし、実際には内閣発足直後から様々な政治的混乱が起こり、5月には予算の審議がほとんど進まぬ状態が続きました。

特に、平成6年度予算の審議は滞り、そのために年度明けの4月1日に可決された暫定予算に続いて、追加予算を可決しなければならない状況に陥りました。そのような中で、6月23日には平成6年度予算案がようやく参議院で承認され、これにより一時的に内閣の運営が安定しました。

退陣

しかし、安定が戻ったとはいえ、羽田内閣は不信任案の提出に直面しました。自民党や社会党がこの不信任案を提出し、国会にて可決されることが避けられない状況となりました。羽田首相は、当初は解散を考えたものの、従来の中選挙区制のもとでの選挙において過半数を得られる見込みがなかったため、解散を断念し、最終的に内閣総辞職を決定しました。

結論

羽田内閣はその短期間に多くの困難に直面し、実質的に予算管理内閣としての役割を果たしたのみで、その後の政治に大きな影響を与えることができませんでした。日本の政治史において、この内閣の短命さと混乱は一つの教訓として記憶されています。

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