汐路章

汐路 章（しおじ あきら）

汐路章は1928年1月9日に京都府京都市で生まれ、本名は滝川清光という日本の俳優です。彼は1948年に大友柳太朗主宰の劇団「新星座」に入団し、その後高田浩吉劇団に移籍しました。彼のキャリアは1950年代末に始まり、その後の数十年にわたって日本の映画界で幅広く活躍しました。

俳優としての経歴

汐路は特に東映の制作する時代劇、現代劇、ヤクザ[[映画]]において、悪役として知られています。彼は品のない精力絶倫な男や悪徳刑事、そして犯罪者などの役を演じることが多く、その存在感は多くのファンを惹きつけました。特にテレビ番組『水戸黄門』では、権力者にこびへつらうチンピラヤクザを演じ、インパクトを与えました。

一方で、彼は多様な役柄にも挑戦しました。千葉真一主演の『激突! 殺人拳』や『脱走遊戯』では片言の日本語を話す中国人を演じるなど、彼の演技力は高く評価されています。また、コミカルな演技も得意とし、特に『服部半蔵 影の軍団』では間の抜けた同心を演じ、観客を楽しませました。階段落ちや宙返りのアクションなども自ら体を張って挑み、その役者としての幅広さを見せました。

『仮面の忍者 赤影』においては、顔を塗りつぶした役が多く、最初は抵抗があったものの、次第に楽しみながら演じるようになったと語っています。彼が演じた「魔風雷丸」というキャラクターは、特に印象に残る役柄です。後年、彼の相手役として出演していた金子吉延との再会では、『赤影』が名作であるという思いを暫く語り合ったと言います。

汐路は叩き上げの大部屋育ちであり、映画『蒲田行進曲』の登場人物「ヤス」のモデルとも言われています。俳優業の傍ら、彼は故郷の京都で無料の書道教室を開設し、子どもたちと触れ合うなど温かい人柄を持ち合わせていました。

1975年には第1回くまもと映画祭で特別功労賞を受賞するなど、彼の業績は業界で認められましたが、1994年10月29日には肝不全により66歳でこの世を去ります。

代表作

汐路は多くの映画やテレビドラマに出演しました。その代表作には、以下のようなものがあります：

• - 映画

- 『激突! 殺人拳』（1974年）
- 『水戸黄門漫遊記 怪魔八尺坊主』（1960年）
- 『蒲田行進曲』（1982年）

• - テレビドラマ

- 『仮面の忍者 赤影』（1967年）
- 『水戸黄門』（1969年～1984年）
- 『私鉄沿線97分署』（1981年）

彼のキャリアには、様々な役柄と実力あふれる演技が詰まっており、映画史にその名を刻んでいます。汐路章は、温厚な人柄と悪役としての強烈な存在感とのギャップが彼の魅力であり、彼が遺した数々の作品は、今も多くの人々に愛されています。

もう一度検索