江ノ島電気鉄道2形電車

江ノ島電気鉄道2形電車の概要

江ノ島電気鉄道2形電車は、江ノ島電鉄で運行されていた無蓋電動貨車で、1947年に東京急行電鉄から譲受しました。この電動貨車は、1947年から1970年まで活躍し、主に保線や施設関連の作業、さらには貨物輸送に用いられました。1形電動貨車の後継として位置づけられたこの形式は、さまざまな重要な役割を果たしました。

導入の背景と仕様

江ノ島電気鉄道は、1933年に初号車の電動貨車を導入し、その後、1947年に東京急行電鉄のデト3011号車を購入して2形電動貨車としました。この電動貨車の導入により、古い1号車は1949年に廃車となっています。もともと1900年代初頭から貨物輸送が行われていた江ノ島電鉄ですが、電動貨車の存在はその効率を大いに高めました。

2形電動貨車は、長さ6620mm、幅1980mmの二軸無蓋車で、運転室は両端に設置されています。荷台は中央に位置し、出入り口には木製のあおり戸があります。改造後は、正面窓や側壁が改良され、運転室の見た目も変わりました。

車体と走行装置

この電動貨車の車体は黒色に塗装され、台車はブリル社製の2軸単台車である21Eが使用されています。集電装置は、導入当初はトロリーポールでしたが、江ノ島電気鉄道に改造された際にZ形パンタグラフに変更されました。主制御器は東京急行電鉄時代のものを引き継いでおり、発電ブレーキ機能も持っています。

運行の実態

2形電動貨車は、設立当初から保線作業に活用され、時には旅客輸送にも用いられました。特に、戦後復興期には車両が不足していたため、臨時的に旅客を運んでいたこともあります。

また、工事用としても多く利用され、代表的な工事として鎌倉駅の移転工事や、腰越-七里ヶ浜間の専用軌道化工事があります。これらの工事においても、この電動貨車の役割は重要でした。

形態の変化と廃車

運行期間中に、構造の一部変更が行われ、運転室の改良や尾灯の移設などが施されました。最終的には1970年に廃車届けが提出され、その主電動機は別の新しい車両に流用されました。

主要諸元

• - 電気方式: 直流600V
• - 全長: 7380mm
• - 全幅: 2200mm
• - 全高: 3505mm (トロリーポール折畳時)
• - 荷重: 4t
• - 台車: ブリル21E
• - 主電動機: 東洋電機製造TDK-13 × 2基

江ノ島電気鉄道2形電車は、その独自な形態と多様な役割で江ノ島電鉄の歴史に名を刻み、現在も多くの鉄道ファンに愛されています。

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