江島大橋

江島大橋（えしまおおはし）

江島大橋は、鳥取県境港市と島根県松江市を結ぶ重要な橋であり、境港臨港道路江島幹線の一部を成しています。国土交通省中国地方整備局の境港湾・空港整備事務所によって建設され、現在は境港管理組合によって管理されています。この橋の特筆すべき点は、島根側の接続部分が極端な急勾配であることから「ベタ踏み坂」という通称がつけられています。

橋の概要

江島大橋は、鳥取県境港市渡町を起点とし、島根県松江市八束町江島を終点とした全長1,446.2メートル（盛土部を含むと1,704メートル）を誇ります。橋の幅は11.3メートルで、島根側の勾配は6.1%、鳥取側は5.1%となっており、制限速度は40 km/hです。ここを通行する24時間の交通量は約14,905台にも達し、地域における重要な交通路となっています。

この橋の構造は、PC5径間連続有ヒンジラーメン箱桁橋であり、船舶の通行に支障が出ないように設計されています。特に、島根県側の勾配が高く設定されており、これは最大44.7メートルの高さに上がるためです。中央支間長は250メートルであり、これは桁橋において日本で第2位、コンクリート製に限定すれば日本最大、PCラーメン橋では世界で第3位に位置づけられています。

橋の歴史

江島大橋が建設される前、周辺には中浦水門上に設けられた古い道路橋が存在していました。この橋は江島と境港を結び、1日に約14,000台の車両が利用していましたが、その構造上、船舶が通過する際には通行が7〜8分ほど遮られることがあり、交通の阻害要因となっていました。また、14トン以上の大型車両は通行できない問題も抱えていました。これらの課題を解決するために江島大橋が建設されることとなったのです。中浦水門は2005年10月から撤去工事が始まり、2009年3月に工事は完了しました。

2004年10月16日に江島大橋は供用を開始し、地域の交通インフラとしての役割を担っています。

接続道路と交通

江島大橋は、鳥取県道246号渡余子停車場線と島根県道338号美保関八束松江線に接続しています。この周辺道路の整備により、地域間の移動がスムーズに行えるようになりました。

ベタ踏み坂の魅力

特に注目される点として、江島大橋は「ベタ踏み坂」と呼ばれる急勾配の映像が特に有名です。2013年にはダイハツ工業のCMにおいて、その急勾配が際立って紹介され、人気を博しました。このCMでは、軽自動車が走行する場面が描かれています。しかし実際の勾配は1971年以降の道路構造令に基づき、最大12%と定められており、島根側の6.1%はその半分にあたります。このため、運転時には特に強くアクセルを踏み込む必要はありません。

驚くことに、橋が実際に急勾配に見えるのは、対岸の大根島から望遠レンズを使って撮影した場合の圧縮効果によるものです。橋の近くに立つと、実際の勾配はそれほど急ではないと感じることができます。

江島大橋周辺の大橋川は松江港の港湾法に基づく港湾区域にあり、5000トン級の船舶が通行可能なため、近隣の橋梁も勾配が大きい設計となっています。なかでも、大橋川河口に位置する中海大橋は7%の勾配を持ち、外海への通路である境水道大橋は最大7.25%にのぼります。

結論

江島大橋は、橋としての実用性だけでなく、その独特の勾配による視覚的な魅力や交通の要所としての役割から、地域住民や訪れる人々にとって重要な存在となっています。

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